パソコンをつくろう!(パソコン自作のすすめ)
組み立てキットを使って自作に挑戦!
当記事は2010年9月から「TTLでCPUをつくろう!」というタイトルの もとにほとんど毎日連載をしてきたものを再編集したものです。 2011.6.21
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☆いつものごとく泥沼の展開に。(4)ふたたびメールについて
組立説明書とWindows7のセットアップ説明書も出来あがり、友人(初心者)2名による実際の組立作業も成功裏に終わったのでいよいよ販売を開始するつもりだったのですけれど…。
次々に想定外の事態が発生し、販売開始は当面延期せざるを得なくなってしまいました。
あせる心を押さえてひとつずつ問題を解決していくのでありますが…。

[第92回]

●アドレス帳とメールボックスのインポート

Thunderbirdを最初のメーラーとしてインストールする場合に、ほかのパソコンにあるOutlook Expressのアカウントの設定をこちらのパソコンにもってきてインポートすることができるとよいのですが、残念ながらThunderbirdにはその機能がありません。
ですからアカウントの設定は、必要な値をマニュアルで入力して設定するしかありません、という説明を[第90回]でいたしました。
アカウントの設定はそうなのですけれど、アドレス帳や受信トレイ、送信トレイなどのメールボックスをOutlook Expressからもってきて、それをインポートすることはできます。
その方法は、先にWindows Liveメールがインストールされているところに、あとからThunderbirdをインストールした場合に、アドレス帳やメールボックスをインポートするのと全く同じです。
その方法については、[第89回]で説明をいたしましたので、そちらを参照してください。

●Thunderbirdで複数アカウントの設定

[第90回]ではThunderbirdを最初のメーラーとしてインストールする場合の、アカウントの設定について説明をいたしました。
そこで説明をしましたのは、アカウントが1つだけの場合についてでした。
しかしなかにはアカウントを複数持って使っている場合もあるかと思います。
そこで今回は、複数のアカウントの設定について説明をいたします。

2つ目以降のアカウントの設定についても、最初のアカウントの設定と同じ作業を行ないます。
Thunderbirdを起動して、[ツール]→[アカウント設定]を開きます。

左の一番下の「アカウント操作」をクリックするとメニューが表示されますから、「メールアカウントを追加」をクリックします。

「メールアカウント設定」が表示されます。

追加したいメールアドレスと表示名、パスワードを入力して「続ける」をクリックします。

「受信サーバ名」と「送信サーバ名」が検出され表示されます。

検出されたサーバ名が正しい場合でも、詳細な設定は手作業で行なわなければならないことが多いので、「手動設定」をクリックします。

「アカウント」が一覧表示されます。

今回追加するアカウントも表示されていますから、そのアカウントの「サーバ設定」を選択します。
すると右側にそのサーバの設定項目が表示されますから、各項目を確認して変更が必要なものは全て変更します。
ここの項目は「受信サーバ」についての設定項目です。
サーバ名、ユーザ名は必須です。
ポートは通常は110でいいと思います。
接続の保護の有無、認証方式はプロバイダによって異なりますから、契約書やプロバイダからの接続説明書、またはプロバイダのホームページなどで確認をしてください。
別のパソコンで、Outlook Expressにこのアカウントを登録して使っていたのでしたら、Outlook Expressの設定が参考になります([第90回]参照)。
「ダウンロード後もサーバにメッセージを残す」についても[第90回]で説明していますので、そちらを参照願います。
変更作業が完了してもまだ「OK」はクリックしません。

続いて送信サーバの設定をします。
左下の「送信(SMTP)サーバ」を選択すると、右側に「送信(SMTP)サーバの設定」が表示されます。

追加登録するサーバ名を選択して「編集」をクリックします。

送信サーバの設定項目の入力画面が表示されます。

送信サーバ名、ポート番号、ユーザ名を必要ならば変更し、接続の保護、認証方式も必要ならば変更します。
「OK」を入力します。

以上で設定は完了ですが、追加登録したアカウント名がメールアドレスのままになっているところをわかりやすい名前に変更することができます。
左側、赤矢印で示したアカウント名を選択すると右側に「アカウント設定」が表示されます。

「アカウント名」を変更します。ここでは「alles」に変更しました。
この「アカウント名」は、メールの送信時、受信時にサーバに送られる「アカウント名」ではなくて、Thunderbird内で受信フォルダ、送信済みフォルダを区別するためにつけられる名前ですから、送受信に影響はありません。どんな名前でも任意につけることができます。
最後に「OK」をクリックします。

複数のアカウントが表示されました。

アカウント毎に受信をする場合には、受信したいアカウントの「受信トレイ」を選択して、ツールバーの「受信」をクリックします。
あるいは「受信」の右側の▼をクリックして、表示されるメニューの中から、アカウント名を選択してクリックします。

すべてのアカウントを同時に受信するには、「受信」の右側の▼をクリックして、表示されるメニューの中から、「新着メッセージをすべて受信」をクリックします。

送信をする場合には、 「差出人」のアカウントを選択することができます([第88回])。
送信トレイは1つしかありませんが、「送信済みトレイ」はアカウント毎に作られます。
なお、先にWindows Liveメールがインストールしてあるところに、あとからThunderbirdをインストールして、アカウントの設定をWindows Liveメールからインポートした場合には、アカウント毎に受信トレイを設定するようにしても、「送信済みトレイ」はアカウント毎には作られないようです([第88回])。

●アカウントの詳細設定

「ツール」→「アカウント設定」をクリックして「アカウント設定」を開きます。
アカウント毎に「サーバ設定」を選択すると、右側にそのサーバの設定が表示されます。

右下の「詳細」をクリックします。

「アカウントの詳細設定」が表示されます。

ここの指定を変更することによって、メールをどの受信トレイにダウンロードするかを決めることができます。
今回および[第90回]で説明した方法でアカウントの設定を行なうと、受信メールはそのサーバの受信トレイにダウンロードされます。
上の表示のように、デフォルトでは「このサーバアカウントの受信トレイ」が指定されるからです。

複数のアカウントを設定しても、受信トレイをそれぞれごとに分けるのではなく、すべてのアカウントの受信を共通の受信トレイ(ローカルフォルダの受信トレイ)にまとめてしまいたい、という場合には、ここで「共通受信トレイ」を指定します。

「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」にもチェックをいれてから「OK」をクリックします。

次の表示がでます。

このアカウントのメールをローカルフォルダの受信トレイかまたは別のアカウントの受信トレイにダウンロードする指定にした場合には、このアカウントの受信トレイが表示されなくなります。
ですからそれ以前にダウンロードしてそのトレイに保存していたメールは取り出せなくなります(読めなくなる)。
それでもいいですか、という警告です。
それでかまわなければ、「OK」をクリックします。
設定の変更が反映されるためには、一度Thunderbirdを終了して、もう一度あらためてThunderbirdを起動しなければなりません。

アカウント毎の受信トレイがなくなって、ローカルフォルダだけになりました。


タスクトレイの「受信」をクリックすると、さきほど「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」にもチェックをいれたアカウントのメールがすべて受信チェックされ、サーバーにメールがあればすべてローカルフォルダの受信トレイにダウンロードされます。
「受信」の右側の▼をクリックして表示されるメニューのアカウント名をクリックすると、そのアカウントについてのみ受信が行なわれます。
送信が、「送信者」を指定して行なわれることは、アカウントがローカルフォルダにまとめられていても、まとめられていなくてもどちらの場合でも同じです。

なお上のようにアカウントの設定をローカルフォルダにまとめて受信するようにした場合でも、その後に個別のアカウントの受信トレイに受信するように設定を戻すと、表示されなくなっていたそのアカウントの受信トレイが再び表示されるようになりますが、私がテストした限りでは、それ以前にそのアカウントの受信トレイに格納されていたメールは消去されないで、そのまま残っておりました。
しかし長期間「ローカルフォルダ」にまとめたままにして使っていた場合やハードディスクの使用状況によってはどうなるかわかりませんから、もし個別のアカウントで受信していたメールがあって、そのアカウントの受信メールのダウンロード先を「ローカルフォルダ」の共通受信トレイに変更するか、または別のアカウントに変更する場合には、事前に既受信メールを別のフォルダにコピーしておいたほうがよいと思います。

●メッセージをコピーする

メッセージをコピーする方法です。
コピーするメールをすべて選択します。

@コピーしたい一番最初のメッセージをマウスでクリックして選択し、次に「Shift」キーを押しながら一番下のメッセージをマウスでクリックすると、メッセージを全て選択することができます。
A選択したメッセージの上でマウスを右クリックするとメニューが開きます。
B開いたメニューの中の「メッセージをコピー」にマウスを持っていくと、コピー先の候補(アカウント名、ローカルフォルダなど)が表示されます。
Cさらにその候補(アカウント名かローカルフォルダ)にマウスをもっていくと、そのフォルダにある受信トレイ、送信済みトレイなどが表示されますから、コピー先として選択するトレイ、フォルダをクリックします。
D指定したフォルダにメールがコピーされます。

●「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」の意味

さきほどの「アカウントの詳細設定」で「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」にチェックをいれました。

これは実にわかりにくい機能です。
この機能動作を確認するためにたっぷり時間がかかってしまいました。
なんとか理解できたように思いますので、以下私の解釈を説明いたします。

「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」は、「このサーバアカウントの受信トレイ」を選択したときにはグレイになっていて、使うことはできません。
上の画像の状態にしておいて、再び「このサーバアカウントの受信トレイ」を選択すると、チェックが入ったままグレイになって、この機能がONになったまま、変更不能ということでグレイになったのか、とも思ってしまうのですが、いろいろテストして確認してみますと、そうではなくて、やっぱり「このサーバアカウントの受信トレイ」を選択しているときは、この機能はOFFになっています(チェックの有無には無関係です)。

この機能は、「共通トレイ(ローカルフォルダアカウント)」か「別のアカウントの受信トレイ」を選択したときでないと、有効にすることができません。
それでは、ここをチェックしたときと、しないときとの違いはなんなのか、ということなのですが。
たとえば次のような仮定を考えてみます。
メールアカウントA、B、Cの3つを使っています。
この3つとも全てを普通に受信する設定ならば、いままで説明してきた2通りの設定のいずれかをします。

ひとつはアカウント毎に別々の受信トレイを設ける方法です(この方法のときには「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」はグレイになっていて指定することはできません)。
アカウント毎に別々に受信するならばそのアカウントの受信トレイを選択しておいて、タスクバーの「受信」をクリックするか、あるいは「受信」の右の▼をクリックして表示されるアカウント名をクリックします。
すべてのアカウントの受信を同時にチェックするならば、「受信」の右の▼をクリックして「新着メッセージをすべて受信」をクリックします。

もうひとつは、アカウントをローカルフォルダにまとめてしまって、全てのアカウントの受信をローカルフォルダの受信トレイにダウンロードする方法です(この場合には「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」を指定しておきます)。
この場合にも、アカウント毎に別々に受信をすることは可能です。
タスクバーの「受信」の右の▼をクリックして表示されるアカウント名をクリックするとそのアカウントの受信だけがチェックされてダウンロードされます。
すべてのアカウントを同時に受信チェックするには、「受信」をクリックします。
いずれの場合にも、受信メールはローカルフォルダの受信トレイにダウンロードされます。

アカウントを個別に設定したときと、ローカルフォルダにまとめたときとの操作を下に整理して比較してみます。

[アカウントを別々に設定]
◎アカウント毎に受信
  1)アカウントの受信トレイを選択して「受信」をクリックする
  2)「受信」の右の▼をクリックして表示されるアカウント名をクリックする
◎すべてのアカウントを同時に受信
  「受信」の右の▼をクリックして表示される「新着メッセージをすべて受信」をクリックする

[アカウントをローカルフォルダにまとめる設定]
◎アカウント毎に受信
  アカウントの受信トレイを選択して「受信」をクリックする
◎すべてのアカウントを同時に受信
  「受信」をクリックする

さてそれでは「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」のチェックの有無についての説明に入ります。
すでに説明しましたように、この機能は「アカウントを別々に設定」したときには使えません。
そのアカウントの受信メールを「ローカルフォルダの受信トレイ」か、「別のアカウントの受信トレイ」を選択したときに有効になります。

「別のアカウントの受信トレイ」を選択するというのはちょっと首をかしげてしまいます。
はて?そんな設定で使うことがあるのかいな?と思ってしまいます。
なのでここでは、「共通受信トレイ(ローカルフォルダアカウント)」を選択することとして説明をいたします。

最初の説明に戻りまして、今A、B、Cの3つのアカウントをすべて「共通受信トレイ(ローカルフォルダアカウント)」を選択するように設定したことにします。
そのうちAとBについては「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」にチェックをいれますがCについてはチェックを外します。
そのような設定のときに、ツールバーの「受信」をクリックすると、AとBについては受信がチェックされ受信メールがあれば、ローカルフォルダの受信トレイにダウンロードされますが、Cについては受信チェックは行なわれません。
この場合「新着メッセージをすべて受信」をクリックしても、結果は同じで、AとBは受信されますが、Cに対しての受信チェックは行なわれません。
しかし「受信」の右の▼をクリックして表示されるアカウント名Cをクリックすると、Cの受信メールがローカルフォルダの受信トレイにダウンロードされます。

これは、CについてはこのコンピュータのThunderbirdでメールの送信をしたいけれども、受信は別のメーラーかあるいは別のコンピュータで行ないたい、というような目的のための機能だと思います。
「あるアカウントの受信メールだけはThunderbirdで受信したくないが、それ以外のアカウントの受信メールについては、同時に受信チェックをしてダウンロードしたい(送信は全てのアカウントで可能にしておきたい)」という場合には、上で説明しましたように、ダウンロード先を「共通受信トレイ(ローカルフォルダアカウント)」か「別のアカウントの受信トレイ」に指定した上で、「新着メールの取得時にこのサーバも同時に受信」のチェックを外すことによって、そのようにすることができます。
CPUをつくろう!第748回(2011.3.13upload)を再編集

パソコンをつくろう![第92回]
2011.6.21upload
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