超巨大基板の８０８０互換ＨＣＭＯＳ・ＣＰＵでＣＰ／Ｍを走らせてしまおうという、なんとも狂気なプロジェクトです！
［第５５回］
●ＥＸＣＥＬでチェビシェフの近似式を求める（２）
［第４９回］でＥＸＣＥＬを使ってチェビシェフの近似式を求めました。
そこでは［第４６回］で説明した方法を使いました。
「数値計算」（コロナ社）に記載の方法もテイラーの多項式とチェビシェフの多項式を使って近似式を求めますが、そこではチェビシェフの逆展開式というものも使って、表によって近似式を求めています。
あらかじめ逆展開式を算出しておくことで、近似式を比較的容易に求めることができます。
その方法につきましては［第５０回］で説明をいたしました。
また逆展開式につきましては［第５１回］〜［第５４回］で説明をいたしました。
今回は「数値計算」（コロナ社）に記載の方法を使って［第４９回］と同様にしてＥＸＣＥＬで近似式を求めてみました。
下がＥＸＣＥＬの画面です。
２００行〜２０５行に逆展開式を記載しました（セルに係数を簡単に入力するためにここに記載したもので、これはただの覚えです。このままＥＸＣＥＬで計算に使ったりはしていません）。
［第４９回］と同じレイアウトになるように考えたため、表の縦と横が［第５０回］の説明とは逆になっていますが、やっていることは［第５０回］で説明したことと同じです。
２０９行はテイラーの展開式の係数項の分母です。
いきなり分数を記入すると小数になってしまってちょっと見には訳がわからなくなりますのでそうしました。
２１０行が２０９行の逆数です。
Ｉ２１１〜Ｉ２１６にはＩ２１０の値とｘ１１の逆展開式のＴ１１〜Ｔ１の各係数値の乗算式が埋め込んであります。
たとえばＩ２１１のセルには ＝Ｉ２１０／１０２４ が埋められています。
またＩ２１２には ＝Ｉ２１０＊１１／１０２４ が埋められています。
Ｊ２１２〜Ｊ２１６にはＪ２１０の値とｘ９の逆展開式のＴ９〜Ｔ１の各係数値の乗算式が埋め込んであります。
たとえばＪ２１２のセルには ＝Ｊ２１０／２５６ が埋められています。
またＪ２１３には ＝Ｊ２１０＊９／２５６ が埋められています。
以下同様です。
Ｏ２１１〜Ｏ２１６には横の合計値が入ります。
ちなみにＯ２１１には、＝ＳＵＭ（Ｉ２１１：Ｎ２１１） が埋めてあります。
このＯ列の値がチェビシェフの多項式Ｔ１１〜Ｔ１のｘｎの係数に掛けるべき値です。
ただし以下の計算ではＴ１１は使いません。
２１９行から２２３行にはチェビシェフの多項式Ｔ９〜Ｔ１のｘｎの係数が置いてあります。
チェビシェフの多項式は［第４４回］〜［第４５回］で説明をしました。
２２５行〜２２９行にはＯ列の値と２１９行から２２３行に置いた係数との積を置きます。
ちなみにＪ２２５には ＝Ｊ２１９＊Ｏ２１２ が埋めてあります。
Ｋ２２５には ＝Ｋ２１９＊Ｏ２１２ が埋めてあります。
またＫ２２６には ＝Ｋ２２０＊Ｏ２１３ が埋めてあります。
以下同様です。
そしてＪ２３０にはＪ２２５〜Ｊ２２９の合計が入ります。
Ｊ２３０には ＝ＳＵＭ（Ｊ２２５：Ｊ２２９） が埋めてあります。
Ｋ２３０にはＫ２２５〜Ｋ２２９の合計が入ります。
Ｋ２３０には ＝ＳＵＭ（Ｋ２２５：Ｋ２２９） が埋めてあります。
以下同様です。
Ｊ２３０〜Ｎ２３０が求める９次の近似式ＳＩＮ（ｘ）＝Ｊｘ９＋Ｋｘ７＋Ｌｘ５＋Ｍｘ３＋Ｎｘの各係数値です。
ここでは「数値計算」（コロナ社）に記載されている方法でチェビシェフの９次の近似式を求めましたが、それとは別の方法で［第４９回］で求めた近似式と全く同じものになりました。
結果は同じになりますが、両者の求め方を比べてみますと、やはり今回の「数値計算」（コロナ社）の方法のほうが求めやすいように思います。
ＭＹＣＰＵ８０でＣＰ／Ｍを！［第５５回］
２０１４．１０．２１ｕｐｌｏａｄ
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