パソコンをつくろう!(パソコン自作のすすめ)
組み立てキットを使って自作に挑戦!
当記事は2010年9月から「TTLでCPUをつくろう!」というタイトルの もとにほとんど毎日連載をしてきたものを再編集したものです。 2011.6.17
前へ
次へ
目次へ戻る
ホームページトップへ戻る
☆プロローグ
中日電工代表者である私(菱田)がWindows7に出会い、ながらく休止していたパソコン組立キットを再び企画するに至ったいきさつを書いています。
なぜメーカー品のパソコンではだめなのか。メーカー品のパソコンのどこが問題なのか。
どうして組立キットなのか。
既存のパソコン組立キットのどこが問題なのか。
そういう辺りがテーマになっています。

[第36回]

●破損してしまったハードディスクについて

[第33回]で、写真を撮ったあとで突然ハードディスクが異常音を発して昇天してしまいました、と書きました。
しかしよくよく思い出してみましたら、それは正確な表現ではなかったようです。
何もしないのに突然壊れてしまいました、というのはガキがよく使う言い訳でありまして。
「こらあ、さわるなと言ったのに、さわったでしょう」
「ぼ、ぼく。なにもさわってないよう。見てただけ。そう。見てたら急に壊れたの」
うそばっかり。

思い出してみますると、状況は多分こうだったようです。
なんとなく不安を感じたのは事実です。
で、Windowsを終了したのでありますが、実はまだ完全に終了しないうちに、一番上に乗っかっていたハードディスクを手でつかんで持ち上げてしまったのですねえ。
途端になんだかブンと手の中で回転するような振動が伝わって、その直後にカシャリカシャリという音がするようになった、ということのようでありました。

なんでもあちこちネットを参照してみますと、ハードディスクはしっかり筐体に固定すべし、と書いてあります。
私のようにてきとーに置いておくなどもってのほかなのでありまして、アクセス時の振動で壊れてしまうこともあるそうですと。
ま。それはともかく。
まだ回転がおさまっていないのに、手で持ち上げるなどはおそらく厳禁なのでありましょう。
タイミングから考えますと、多分それが原因で壊れてしまった疑いが濃厚のようです。
ということでありますから、特にノートパソコンをお使いの皆様。
電源ONの状態でノートパソコンを持ち上げて移動したりはなさらないほうがよろしいようですよ。

私はノートパソコンは持っていないのでありますが。
でも、デスクトップパソコンをときたま電源ONの状態で、よいしょと倒したり、ずずずっと移動させたりしておりました。
そういうことは、これからしないようにいたしましょう。
やっぱり、精密機器でありましたですねえ。
つい。うっかり、失念してしまっておりました。

●メーカー製のパソコン!

ところでぼちぼち着地点に近付きました。
この2ヶ月ほど、行きつ戻りつしながら、ためらいつつさまよっておりました。
なにを?
ええ。
そのことについてぼちぼち説明にとりかかることにいたします。

実は。今回のハードディスクのバックアップのきっかけになった事件は、こうでありました。
私の古くからの友人の所有するパソコン(WindowsXP)が起動しなくなった、という電話を受けたことから、それは始まりました。
実は、その友人は税理士さんでありまして、お話はさらに2年ほど前にさかのぼります。
その友人から、パソコンが古くなったので買い換えたい、という相談を受けまして、それで彼の希望では、業務で使うものでありますから、信頼性を重視したい、やはり国内の有名メーカー製がいいなあ、ということでありました。
おお、それならば、ということで、NECのルートから数台のXPパソコンを仕入れまして、納入したのでありました。

しかるところ、今回の緊急コールであります。
とにかく年末が近付いているこの時期に思わぬトラブル発生で、うち1台のパソコンが突然に起動しなくなってしまった、ということでありました。
かけつけてみましたら、確かに、WindowsXPのロゴが一瞬出た後、またむなしくリブートしてしまいます。
ええ。
もちろん考えられることは全部試してみましたよ。
しかし、どーしてもだめ。
直りません。

彼のいわく。実はお客様の大切なデータが入っていて、それが無いと困る。
えっ。コピーはしてなかったの?
ほおら、だから、ちゃんとコピーはこまめにとっておきなさいよって、あれだけ言っておいたじゃないの(自分のことは棚に上げて、まあなんとしらじらしい)。

ま。今更そんなことを言ってもはじまりません。
せめてデータだけでもなんとか救出しましょ。
ということで、そのNECパソコンを抱えて帰りました。
ともかくケースを開けて、ハードディスクを取り出して、うちのパソコンに接続すれば、データファイルは読み出せるはず。
と考えたのでありますが。
実は。
NECのパソコンをさわるのは、これがはじめて。
むむ。
ケースが開きません。
どこかに隠しネジがあるか、と思ってよーく調べてみたのですが、そういうものは見当たりません。
自分所有のパソコンでありましたなら、無理矢理こじあけてもよいのでありますが、友人とはいえ、お客様でありますから、そういう乱暴はできませぬ。
こーなったら、しゃあない。恥をしのんで、NECに聞くか。
で。
カスタマサポートに電話をしました。
これこれの事情で、ということで技術の担当を呼び出しまして、お尋ねいたしました。
私「あの、ケースの開け方をちょいと説明してほしいんだけど」
NEC「あ。そういうことはお教えできません。開けていただくのはちょっとこまります」
私「けど。急いでデータをとりださなきゃいけないんですよお。そちらに頼んだって、すぐってわけにゃいかんでしょ?」
NEC「ええ。やはり1週間程度は」
私「それじゃ遅いんだよお。あ。念の為。これこれの症状で、リカバリをお願いするとしたら、いくらぐらいかかります?」
NEC「そういう状況ですと、最高6万円くらいは」
私「えっ?6万円?(しばし、絶句)そ。それじゃ、もうほとんど新品が1台買えちゃうじゃないの!」
NEC「そう、なります…ねえ」
私「あのね。リカバリはどうでもいいの。欲しいのはハードディスクのデータが緊急必要なの!だから。開け方教えてくんない?」
NEC「そういうことは…」
私「(とうとうぶちきれる)ああ。わかりました。わかりましたよ。いいです。こうなったらハンマーで叩き壊してでも、ハードディスクは取り出さなきゃならないんだから。もういいです。あのね。あんたに言ってもなんだけどね。こういうことになると、やっぱりね、お客様にね。もうNECのパソコンは買うなと、うっかり買うと、ぶち壊さなきゃならなくなるからねって、そう言わなきゃならないんだよねっ!そういうことだよねっ!どうもっ、お騒がせっ!」ガッチャン。

友人にことの次第を伝えまして、最悪の場合、ぶち壊してハードディスクを取り出すから、と言いましたところ、やむを得ない、任せる、という返事をもらいました(あんたがちゃんとコピーをとっておかないからこういうことになるの。全ての責任はあんたにあるんだからね)。

しかし、ハンマーでぶち壊すというのはあまりにも乱暴です。
そう言えば以前に何台か、DELLのパソコンを開けたことがあったっけ。
あれもなんだか開け方にくせがあったけど、ネジは使ってなかったっけ。
ということを思い出しましたので、もう一度落ち着いてよーくさぐってみましたら。
わかりましたよ。
開け方が。

結局はぶち壊さないで、ハードディスクを取り出して、新しいハードディスクと交換し、そこにWindowsXPをインストールして、最後にもとのハードディスクからデータファイルをコピーして、無事復旧いたしました。
このお話はそれでおしまいです。
さて、この顛末を通じまして、私が何を言おうとしておりますか、皆様、おわかりになりますでしょうか。
CPUをつくろう!第677回(2010.12.2upload)を再編集

パソコンをつくろう![第36回]
2011.6.17upload
2011.6.18再編集

前へ
次へ
目次へ戻る
ホームページトップへ戻る