2021.3.20
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第327回]



●トランジスタロジック回路組立キットTR126

プルアップ抵抗に起因するごたごたなどのためにずっと紹介できずにおりました組立キットTR126です。
TR126は[第246回]で説明をしています。
組立キットTR126については[第246回]の説明もお読みください。
74LS126のトランジスタ版になります。
バイポーラトランジスタ2SA1015と2SC1815による3 STATE BUFFER回路です。
[第246回]に1ゲート分の回路図があります。
以下の説明の理解の助けになると思いますから下に再掲します。
1つの基板に4回路あるうちの1回路の回路図です。

TR126のプリント基板はプルアップ抵抗を10KΩとして製作しました。
動作テストをするためにほかの基板と同様に10KΩを実装していましたが、いままでの流れで最終的に、R11を4.7KΩに、R12を3KΩに交換しました。
上の回路図はそのように変更したあとの回路図です。
R12が4.7KΩではなくて3KΩになっているのはE入力回路には2SC1815が2個つながっているからです。
その場合のプルアップ抵抗の値についてはTR86回路のところで書きました([第315回]参照)。

組立キットTR126は74LS126と同様1枚の基板に4ゲート分の回路が載っています。
下がプリント基板(部品面)の写真です。

この基板もTR86と同じでシルク印刷のR12とR13の抵抗値が間違っています。
R13は22KΩです。
R12は3KΩに変更します。

下はプリント基板(ハンダ面)の写真です。


最終的に抵抗を交換したあとの基板の写真です。


4回路の内の1回路を拡大しました。

R11は4.7KΩ、R12は3KΩ、R13は22KΩです。

入力になにもつながないで電源をONにしました。

基板全体の電流は4mA弱です。

プルアップ抵抗を10KΩから4.7KΩと3KΩに変更したために入力を0にする(GNDにつなぐ)と消費電流が大きくなります。

プルアップ抵抗が3KΩと4.7KΩなので1ロジック回路あたり2.5mA、基板全体では2.5×4=10mA流れます。
これがTR126の最大電流です。

いままでのテストと同じように入力を00〜11にしてそのときの電流を測ってみました。

約7mAです。
これがTR126の大体平均的な電流と考えてよいと思います。

TR126は3 STATE BUFFERなので一般的なロジック回路とは動作がすこし異なります。
E=0のときは出力がハイインピーダンスになります。
左側の2回路はE=0で右側の2回路はE=1です。
出力には赤色LEDがついているのですが、この回路の場合出力がハイインピーダンスのときも出力が0のときも赤色LEDは点灯しません。
右側の2回路はE=1なので入力が出力に正しく伝わっています。
もっとも上に書きましたようにA=0、E=1の場合(左から3番目の回路)は出力が本当に0なのかハイインピーダンスなのかは出力LEDだけでは区別ができません。
そのことはA=0、E=0の場合(左端の回路)でも同じです。
どうすれば出力が0なのかハイインピーダンスなのかを確認することができるでしょうか?
ちょっと考えましたけれど。
簡単に確認する方法がありました。
出力とVccの間に適当な抵抗を入れてそのときに抵抗に流れる電流を測ってみればわかるはずです。

左端の00入力の出力に1KΩの抵抗をつないで、抵抗の反対側の端を4.6Vに接続しました。

1KΩの抵抗を介して出力LEDに電流が流れるため赤色LEDが点灯しています。
電流値は0.12mAです。
わずかな電流ですから出力トランジスタはOFFになっていて赤色LEDに流れているだけだと思います。

次に左から3番目の10入力の出力に1KΩの抵抗をつないで、抵抗の反対側の端を4.6Vに接続しました。

今度は4.44mA流れました。
電源電圧の4.6Vに近い値です。
この値は出力トランジスタの2SC1815がONになって(出力が0になって)そこに1KΩの抵抗を通して4.6Vから電流が流れていることを示しています。
1KΩを流れる電流がすべて2SC1815に流れるため赤色LEDは消灯しています。
上の2つのテストから左端の回路では出力がOFFになっていてLEDが消灯しているのに対して左から3番目の回路では出力が0なのでLEDが消灯していることが確かめられました。

ついでですから左端のテストで出力回路に流れた電流値が本当に赤色LEDのみに流れているのかどうかを念のために確かめてみました。
そのときの赤色LEDのアノード電圧を測りました。

約1.7Vです。
以前青色LEDを測ったときには2.5Vほどでした。
やはり赤色LEDに比べて青色LEDのアノードカソード間電圧はかなり高い値のようです。
それはともかくとして、計算です。
赤色LEDを流れる電流値は抵抗1KΩ+22KΩの間を流れる電流ですから
(4.6−1.7)/(22+1)=2.9/23=0.126mA
になります。
上で実測した0.12mAにほぼ一致しました。

トランジスタでCPUをつくろう![第327回]
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