2015.9.18
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新製品の紹介(プチ連載です)
周波数カウンタ組立キット

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たまにはちょいと息抜きで小品も作ってみたいものです。
簡単にチョイチョイと…。
でも、なかなかそうは簡単にはいかなくて、いつものごとく回を重ねてしまうことになるのかも…。
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[第2回]


●試作基板をテスト中の写真です

なにはともあれ、まずは写真を見ていただきましょう。
試作基板をテスト中の写真です。


右上が初回試作基板です。
いずれ詳細について説明しますが、最初はPICのみを使って簡単にできるはず、ということでご覧の通りほとんどPIC以外はLED表示回路のみという超簡単なものでした。
実はそのほかにHC590を1個使っていますが、これについてはまた後で説明をいたします。

PICを使った周波数カウンタはインターネットでは定番のようです。
最初はTIMER1でシステムクロックをカウントして1msぐらいのゲートパルスを作って、入力パルスをカウントする、というよくあるタイプのものを考えました。
最近は表示器には液晶表示器(LCD)を使うものが多いのはよく承知しているのですが、数値だけの表示ということになりますと、やっぱりLEDが圧倒的に見やすいのですよね(特に老眼になりますとLCDは見づらいのです)。
で、ここは古いのは承知であえてLEDにこだわりました。

で。
下にはジャノ目基板がありますが、結局お決まりのPICのみの回路では駄目という結論になってしまいました。
それについても後ほど説明をするつもりです。
とにかくそれでゲートパルスは外部から入力するように回路を変更しました。
ちょっと光っていてジャノ目基板の右側部分にあるクリスタルの値が見えませんが、4.096MHz水晶です。
それをその下のHC4040で分周して1KHzのパルスを作っています。
それをPICに入力して1000回カウントする間(つまり1秒間)入力パルスをカウントしてそれを表示すれば、周波数カウンタの出来上がりということになります。

そのように書きますと、いとも簡単にできてしまったように思われるでしょうが、どうしてどうしてそんなものじゃありませんでした。
毎度のことながら、しっかり悩んでしまうことになりました。
ま、そのようなあれこれにつきましても、ぼちぼち書いていくつもりでおりますが、今回は時間がありませんので、写真の説明に戻ることにいたします。

さてとにかくそのようにしまして、4.096MHzのクリスタルを1/212分周して作った1KHzのパルスをもとにした1秒間のゲートを使った周波数カウンタを作ったのですけれど、ここで問題になったのはその精度です。
たとえばですね。
多くの方はおそらく、10MHzのクリスタルの発振回路からの信号を測定したら、10000000と表示されることを期待されますでしょう。
なんたって水晶発振回路ですから、正確に表示されて当たり前だと…。

インターネットに沢山あります製作記事などをみますと大抵はそのようにゼロがずらりと並んだ写真がついているようです。
でも、それは相当におかしいのですよね。

たとえば普通に入手できるクリスタルはどの位の精度かといいますと。
メーカーのカタログなどでは大抵は30ppmあたりが多いようです。
1ppmは100万分の1です。
1MHzでちょうど1Hzの誤差が1ppmです。
それが30ppmですから、1MHzでは30Hzの誤差があることになります。
すると10MHzでは300Hzの誤差があって当たり前ということになります。
さらにそこに温度係数やら回路の浮遊容量やらも関係してきますでしょうし、HCMOSの発振回路では電源電圧も関係してくるようです。
そうなると10MHzの水晶発振回路の出力を測定しても、きっちり10000000なんて表示にはなりっこないのです。

問題は。
そうなのです。
当然のことながら、4.096MHz水晶から作る1KHzも少なくとも30ppmの誤差はあってしかるべき、という悲しい結論に到達してしまいます。

しかも。
それはきっちり30ppmの誤差なんていうわけにはいきません。
個々のクリスタルによつて誤差はまちまちで、試しにそのような誤差を含む試作品周波数カウンタで手元にある4.096MHz水晶を発振回路に実装して片っ端から測ってみましたら、もうめちゃめちゃばらつきがあることがわかってしまいました。

さて。
そうなりますと。
このようにして作り上げた試作品の周波数カウンタの精度は一体どれほどのものなのか?
そこがさっぱりわかりません。
でも。
わからない、では済まされませんでしょう。

そこで上で見ていただいた写真です。
ジャノ目基板の左側に置いてありますのは急遽秋月から購入したVM39S5Gです。
12.8MHzオシレータで製品説明には誤差1ppm(!)とあります。
ほんとうに1ppmの精度なのかちょいと疑問もありますが、簡単安価に確認するには最適でありましょう。
VM39S5Gからの出力パルスを試作品周波数カウンタでカウントしてみれば、この周波数カウンタの精度がおおよそどの程度のものなのかという見当がつくはずです。

そういうことでカウントした結果が上で見ていただいた写真です。
1ppmの誤差ですから、12800000の表示に対して±13カウントの表示誤差ならば、この周波数カウンタはほぼ誤差0という推定ができます。
んなことはありえませんでしょう。

写真を見ていただきますと、12799389になっています。
ちょっと誤差が大きいようです。
−611ずれています。
611/12.8=47.7ppmです。
30ppmよりはちょっと大きいのですけれど。
ま、こんなもんならいいんじゃありませんか。

ですけれど。
それじゃ納得できないというのが、実に困った性分でありまして。

時間がなくなってしまいました。
次回に続きます。

周波数カウンタ組立キット[第2回]
2015.9.18upload

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