マイコン独立大作戦
CRT/VGAIF+KEYIF+SDCARDIFボードの製作
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
WindowsパソコンにUSB接続して使う現行方式はそれなりに便利ではありますが、ときとしてWindows
のしがらみから開放されて、小さいながらも独立した一個のパソコンとして機能したいと思うこともあります。
昔はそれが普通のことだったのですが、安価なCRTディスプレイが生産中止となって久しい今日ではそれ
は叶わぬことと諦めていたのですが…。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[総合第7回]
●画面の表示を拡大してみました(2)
前回はDELLの20.1インチ液晶ディスプレイ2007FPbの表示画像を拡大してみました。
その結果は明らかに’l’の縦線や’m’の真ん中の縦線が太く表示されていることが確認できました。
2007FPbの水平方向の表示画素数は1600ドットです。
1600/80=20ドットですから、1キャラクタあたりの水平ドット数は20ドットです。
20ドットのところに8ドットを表示するのですから、ずれが出るのは間違いありません。
キャラクタの1ドットの表示が2.5ドットで行なわれる計算ですから、2ドットの縦線と3ドットの縦線が交互に表示されるというのなら納得できます。
しかし前回の拡大画像では’l’の縦線と’m’の真ん中の縦線はしっかり4ドットもあります。
これは明らかに太過ぎます。
VGA出力信号をオシロで見てもおかしいところはなさそうなのですが、どう考えてもVGA出力信号に問題があるとしか思えません。
さて困りました。
まったく手がかりがつかめません。
実はこのおかしな現象はほかのディスプレイでも発生していました。
ところがディスプレイによってちょっと出方が異なっていました。
こちらはEPSONの19インチディスプレイの表示画像です。
一見してどこにも問題はなさそうに見えます。
機種はEPSONのLD1954Sです。
前回のDELLのディスプレイと違ってLD1954Sの水平画素数は1280ドットです。
1280/80=16ですからちょうど割り切れます。
8ドットのキャラクタを80文字表示すると、キャラクタの1本の縦線を2ドットで表示することになります。
ずれは出ないはずです。
当然前回の表示画像に比べると目立ちませんが、それでもよく見るとやっぱり異常があります。
数字の7の真ん中の縦線、小文字のt、カナのトなどが少し太いようです。
左右等間隔のはずの小文字のmやカナのホの左側が右側よりも広いようです。
やっぱりVGA出力信号がおかしいのか?
最初はそう思ったのですが、いや、ちょっとまてよ。
おかしいじゃありませんか。
DELLのディスプレイに表示したときはキャラクタの5ビット目が太くなっていました。
しかし今回は4ビット目が太いようです([総合第5回]のキャラクタパターン図参照)。
もしもVGA出力信号に問題があるのなら、同じ位置がおかしいはずです。
これはいよいよもって怪しいことになってきました。
そこでもう一台、別のディスプレイで試してみました。
HPのL1910です。
こちらもEPSONのLD1954Sと同じ水平画素数1280ドットです。
今度は”や#の右側の縦線や小文字のjの縦線が太いようです。
またmやホの右側が左側より広いように見えます。
今回はなんと6ドット目が太く表示されています。
キャラクタの一部が太く表示されるという共通点はあるものの、太く表示される位置がディスプレイごとに異なるということになりますと、単純にVGA出力信号のせいだと決め付けるわけにもいきません。
何回も試作を繰り返してきて、今度こそこれで製品版の完成、と思ったのに、こんなところでつまづいてしまうとは。
いやあ、弱りました。
ということで先週はこの問題の原因追求のために週の半分以上を費やしてしまいました。
まったく手がかりなしです。
いや、よくよく考えてみれば、手がかりが全くないわけではありません。
問題は水平方向の表示でおきています。
となれば真っ先に疑うのは表示クロックです。
ひょっとするとシフトレジスタから出力されるキャラクタ信号がビットによって遅れたりするのかも、とも思いました。
今から思えば、それならやっぱり同じ位置で異常がでるはずなので、それは的外れなのですが。
しかしとにかくあれこれやってみなければらちがあきません。
下手な鉄砲も数撃てば当たる、です。
信号の遅れの問題かとも思って、シフトレジスタの74HC166やクロック分周回路の74HC393を速度の速い74AC166、74AC393に交換してみましたが、結果は全く変わりませんでした。
こういう場合非同期カウンタがいけないのでは、と思われるかも知れませんが、こと信号の遅れという点では同期式でも同じことです。
非同期カウンタは出力信号ごとに遅れ時間が異なりますが、同期式カウンタは出力信号が揃って遅れます。
ひょっとすると、回路のどこかに入力端子がオープンになったゲートがあるのを見落としているのかもしれない、とも思いました。
そういうときは回路のあちこちをべたべたとさわってみると、症状が変わったりして原因が発見できる場合があります。
で、べたべたさわってみたのですが、表示に変化はありませんでした。
そこで、窮余の一策としてあてずっぽうで、270pFのコンデンサをクロック発生回路の出力段に入れてみましたところ。
おおっ。
表示に変化が現れました。
次回に続きます。
CRT/VGAIF+KEYIF+SDCARDIFボードの製作[総合第7回]
2017.2.13upload
前へ
次へ
ホームページトップへ戻る