2025.4.16
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超ローコストPICWRITERの製作

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「PICBASICコンパイラ」からスピンオフ!!
過去記事を参照することなどを考えて該当する過去記事は「PICBASICコンパイラ」のまま連載回もそのままとします。
以後は前回記事からの流れで[第236回]からとします。
「PICBASICコンパイラ」はなるべく早く連載を再開したいと考えています。
PICはローコスト、高機能で種類も豊富なお手軽マイコンですがプログラムを書き込むためのWRITERが必要です。
それをできるだけ安価に作ってしまおうというプロジェクトです。
最終的には製品化を考えています(組立キット、完成品)。
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[第261回]



●PIC12F629(3)テスト回路

今回は前回書きましたテストプログラムの回路について説明します。
下がPIC12F629テストプログラムの回路図です。

ちょっと乱暴な回路ですがこれだけで動きます。
前回お見せした動画の回路です。
これで良いはずなのですが実際に動作させてみると少し気になることがありました。
前回の終わりにちょっと書いたのですがどうもクロックが少し速いようなのです。
本来はPIC12F629の内部発振モードではクロックは4MHz固定のはずなのですが。
CPUクロックをオシロスコープで観測してみると周期が800nsしかありません。
周波数はその逆数ですから1.25MHzになります。
前回のプログラムのCONFIGの設定ではpin3から命令クロック(発振周波数の1/4)が出力されます。
それを測定しましたから本来は1MHzになるはずです。
20%ほど速いクロックになっています。
内蔵発振は外付けクリスタル発振とは違って多分PIC内部のRC回路による発振だと思いますからアバウトでも仕方がありません。
それにしてもちょっとズレが大きいようです。
ひょっとしたらMCLR(リセット)を+5Vに直接接続したのが何か影響しているのかという疑いが出てきました。
そこで下のようにMCLRとVddの間に10KΩ抵抗を入れてみました。

MCLRというのはリセット入力ですからここにリセットスイッチをつけたりする場合にはこのような抵抗が必要になります。
またPICではこの端子は内蔵ROMにユーザープログラムを書き込む場合に+5Vを越える電圧を加えたりする端子としても使われますからPICを回路に実装したままプログラムを書き込んだりするような使い方をするときにはVdd電圧回路を高電圧から守るためにここに抵抗が必要になります。
うんと昔のPICはPower On Resetを利かせるためにここにプルアップ抵抗とコンデンサをつける必要がありました。
しかしそれは昔の話です。
今は(多分)MCLR端子はVddに直接接続しても構わないはずなのですが…。
それでもまあ念のためにということで図のようにしてみました。
しかし結果は全く変わりませんでした。
たまたまこのPICだけだったかもしれませんがちょっとこのPICの内部発振クロックは精度がやや低かったようです。
まあクロックの周波数精度がそれなりに必要な場合にはクリスタルを外付けにして使えばよいので、そうではない場合にはこの程度のクロックでも使えるのではと思います。

それともうひとつ。
ひょっとしてお気付きの方もいらっしゃるかと思います。
前回の動画にあったクロックの波形にちょいと大きな波が乗っていました。
下はオシロスコープ部分の画像です。

この波形はPIC12F629のpin3から出力されているクロック波形です。
波形のHの部分に波が乗っています。
上のほうで「少し乱暴な回路です」と書いたのはこのことを意味しています。
今回のPIC回路に接続しているのは+5Vの定電圧電源なのですが前回の動画のように何の対策もせずにただミノムシクリップなどで接続すると入出力端子に交流ノイズなどが乗って上の画像のような状態になることがあります。
アナログ回路ではこれでは困りますがデジタル回路ではこの程度ならテスト的な回路なら問題はありません。
でもまあ余りほめられたものでもありません。
ここは下の回路図のようにちょいとした対策を取っておくとよろしいでしょう。

PICのVdd端子とGND端子間に0.1μFぐらいのセラミックコンデンサをつけると効果的です。
下はそのようにしたあとのpin3の出力波形です。


抵抗とコンデンサを追加しても簡単な回路ですからジャノ目基板にちょいちょいという調子で即席で組んでしまうことができます。

いまどきはブレッドボードに組むという人が多いようですがこの程度のものはやっぱりハンダ付けの練習のつもりで普段から慣れておくほうがよいのではと思います。

こちらは裏面です。

けっこういい加減にやってしまっています。

超ローコストPICWRITERの製作[第261回]
2025.4.16 upload

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