パソコンをつくろう!(パソコン自作のすすめ)
組み立てキットを使って自作に挑戦!
当記事は2010年9月から「TTLでCPUをつくろう!」というタイトルの もとにほとんど毎日連載をしてきたものを再編集したものです。 2011.6.20
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☆いつものごとく泥沼の展開に。(3)LANネットワーク
組立説明書とWindows7のセットアップ説明書も出来あがり、友人(初心者)2名による実際の組立作業も成功裏に終わったのでいよいよ販売を開始するつもりだったのですけれど…。
次々に想定外の事態が発生し、販売開始は当面延期せざるを得なくなってしまいました。
あせる心を押さえてひとつずつ問題を解決していくのでありますが…。

[第75回]

●CanonMP600ネットワークプリンタのプロパティ

このところの何回かで説明をいたしました、「ルーターを使わないネットワーク」なのですが、いまどきなぜそんなことをわざわざしてみる必要があったのかといいますと、そもそもはWindowsXPに接続したCanonのプリンタMP600を、Windows7のネットワークプリンタとしてセットアップしましたところ、そのプロパティの表示がおかしい、というところに端を発したのでありました([第70回]参照)。
WindowsXPにインストールしたドライバは、MP600を購入したときについておりましたドライバCDROMからインストールしたはずなので、そのドライバはMP600を購入したとき(2007年9月1日)よりも新しいはずはありません。
ところがそのWindowsXPからLAN接続でWindows7にインストールしたネットワークプリンタのプロパティを開いてみましたら、そこには2009年という表示があったのです。

まあ、そんなことはどうでもいいような些細なことなのかもしれませんが、何事も勉強でありますから、なぜこういう表示が出てきてしまうのか、そこのところを追求してみよう、ということになった次第です。
ひょっとすると、WindowsXPからドライバをもってくるようなふりをして、その実はインターネットからダウンロードしているのではあるまいか。
そのように疑ったものですから、それならインターネットに接続しないネットワークを用意して、そこでWindowsXPのプリンタをWindows7のネットワークプリンタとしてセットアップしてみたら何かがわかるかもしれないと考えたのです。
この忙しいときに、まあ、酔狂な話です。

一度疑いをもちますと、何もかも怪しく思えてきてしまいます。
そもそもWindows7には古いプリンタドライバ(WindowsXP用)は入らないのではあるまいか?
そうだとするとWindowsXPからドライバをダウンロードするということ自体がなにやら怪しい気がします。
いやいや、そもそもWindows7に古いドライバなどを入れたりしたらいけないのではあるまいか([第67回]参照)。
あ。そのお話はCanonのプリンタではなくてHPのプリンタについて、だったのですけれど、しかし常識的に考えれば、HPだってCanonだって、あるいは他のメーカーのプリンタだって、ことは同じはず、であります。
事実、CanonのMP600プリンタをWindows7にUSB接続してみましたら、CDROMのデバイスドライバを要求するのではなくて、Windows Updateから、つまりインターネットからドライバがダウンロードされました([第68回]参照)。

念の為にCanonのドライバダウンロードサイトにいきましたら、MP600の最新ドライバというものが置いてありまして、更新日付は2009年10月21日になっていました。
おお。2009年。
PIXUS MP600 MP DRIVER Ver.1.11が最終バージョンのようです。
変更履歴を見ましたら、「Windows7に正式対応しました」と書いてありました。
というからには、それ以前のバージョンはWindows7には対応していない、ということでありましょうか。

[注意]MP600 DRIVER Ver.1.11は同じバージョンで32ビット版と64ビット版の2種類あります。MP600をお使いの方で当記事を参考にされる方はお間違いのないようにご注意ください。

ところで、お話が本筋からちょいとそれてしまいますが、Windows7にMP600を最初にUSB接続したときに、Windows Updateからダウンロードされるドライバは、どうもこのVer.1.11ではないようなのですねえ([第68回]参照)。
むむむ。
ほんとにどーでもよいことなのですけれど。

それならば、Ver.1.11より前のバージョンは、どうなっているのだろうか?
余計なことが気になりまして。
それならおそらくは、Ver.1.10ではあるまいか?
ということで、探ってみましたら。
MP600/MP510用 MP Driver Ver.1.10がみつかりました。
Updateは、2007年1月23日です。「Windows Vistaに対応しました」と書いてあります。

2007年1月?
MP600を購入したのは2007年9月でしたから、それならCDROMのドライバはひょっとして、Ver.1.10?
WindowsXPにインストールしたMP600ドライバソフトウェアのreadmeを読んでみましたら、ビンゴ!
たしかに。Ver.1.10でした。

むむ。
ひょっとすると、Windows7でWindows Updateからダウンロードしたドライバも、Ver.1.10?
ところが。
さらにおかしなことに気が付いてしまいました。
Windows7にMP600をUSB接続したときにWindows Updateからダウンロードされたプリンタドライバを使ってテストプリントをしてみました。
それがこれです。


ドライバのバージョンは12.05になっています。

そしてこちらはVer.1.11(Ver.1.10でも同じ)のテストプリントです。

ドライバのバージョンは12.02になっています。
この後のほうのテストプリントはWindows7上のプリンタから出力されたものなのですが、WindowsXPで実行しても全く同じものが出力されます。
同じものが出力されていても、Windows7のプリンタドライバはVer.1.11で、WindowsXPのプリンタドライバはVer.1.10です。
いや、それだけなら別におかしいことでもありません。

問題はWindows7にMP600をUSB接続したときにWindows Updateからダウンロードしてインストールされたドライバでは、スキャナのアプリケーションMP Navigator 3.0が働かなかったので、そこにVer.1.11をインストールしようとしたときに表示されたこのメッセージにあるのです。

古いバージョンのドライバがインストールされています、というその古いドライバはWindows Updateからインストールされたドライバです。
しかしテストプリントさせてみると、ドライバのバージョンは12.05。

そして、それではMP Navigator 3.0が働かないので、その上からかぶせてインストールした「新しい」ドライバは、テストプリントさせてみると、ドライバのバージョンは12.02。
しかもWindowsXPのドライバでテストプリントしたものでも、ドライバのバージョンは12.02と表示されます。
ううう。
一体全体、どうなっているのじゃあ。

ところがよくよく2枚のテストプリントを見比べてみましたら、表示されているものが全然違うことに気が付きました。
Windows Updateからダウンロードしたほうは、ドライバ名がUNIDRV.DLLになっています。
一方、Canonのドライバダウンロードサイトからダウンロードして、あとからインストールしたVer.1.11およびMP600を購入時に同梱されていたCDROMからWindowsXPにインストールしたVer.1.10のテストプリントのほうは、ドライバ名がCNMDR87.DLL。

全然違うドライバじゃないの。
一体Windows7はどこからこんなドライバを引っ張ってきたのでありましょう?
しかも、スキャナのアプリケーション(MP Navigator 3.0)が動いてくれないなどという、ハンパなものを。

それは「プリンタドライバ」だけもってきたので、スキャナのドライバはないからではないか?
という意見もあるようなのですが、それもちょっとおかしいのですよねえ。
スキャナのドライバも入っているのですよ([第68回]参照)。

はっきり言えることは、Windows7の「ドライバのおまかせインストール」は信用ならない、ということです。
ドライバをインストールする前に、メーカーのサイトにいって、Windows7用のドライバがあったら、それをダウンロードするのが一番いい方法のようです。
そんなくらいなら、最初から「ドライバはありません。メーカーのサイトから最新のドライバをダウンロードしてください」と表示してくれたほうが、あれこれ悩まなくてかえっていいではありませんか。

Windows Updateもどういう仕組みなのかわかりませんけれど、せっかくインターネットから自動でダウンロードしてくれるというのでしたら、ちゃんと最新の適切なドライバをもってきてほしいものでありますねえ。

あ。それはそうと。
そもそもの発端でありました、例の2009年の表示。
謎が解けました。

インターネットに接続しないネットワークで、ネットワークプリンタとしてWindowsXPから「ダウンロード」したドライバのプロパティを表示させてみると、次のように表示されました。



ところが、このドライバのまま、Windows7をインターネットに接続できる設定にした上で、インターネットに接続できるネットワークにつないだところ、ドライバのプロパティが下のようになりました。

どうやら、デバイス情報だけをインターネットから引いてきているようでありました。
これじゃあ、中身は変わらないで、ラベルだけ貼り換えているのと同じじゃありませんか。

うう。
Windows7はそこそこよくできたOSだと思ったのですけれどねえ。
やっぱりドライバは鬼門のようでありました。
CPUをつくろう!第730回(2011.2.17upload)を再編集

パソコンをつくろう![第75回]
2011.6.20upload
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