パソコンをつくろう!(パソコン自作のすすめ)
組み立てキットを使って自作に挑戦!
当記事は2010年9月から「TTLでCPUをつくろう!」というタイトルの もとにほとんど毎日連載をしてきたものを再編集したものです。 |
2011.6.19 前へ 次へ 目次へ戻る ホームページトップへ戻る |
☆いつものごとく泥沼の展開に。(2)マウスとフロントオーディオとプリンタ(3題話のようですが) 組立説明書とWindows7のセットアップ説明書も出来あがり、友人(初心者)2名による実際の組立作業も成功裏に終わったのでいよいよ販売を開始するつもりだったのですけれど…。 次々に想定外の事態が発生し、販売開始は当面延期せざるを得なくなってしまいました。 あせる心を押さえてひとつずつ問題を解決していくのでありますが…。 |
[第58回]
●マウスが…飛ぶ!
パソコン組立キットの説明書を書くために、Windows7を立ち上げたり、ソフトウェアをインストールしたり、いろいろ説明のためにテストをしておりましたら、とんでもないことに気が付いてしまいました。
ときどきマウスの動きがおかしい…。
カーソルが突然あらぬ方に行ってしまいます。
なんだか突然飛んでしまうようなのです。
パソコン組立キットについておりますマウスは光学式マウスです。
私は普段はいまだにボールマウスを使っておりますものですから、ついそのクセが出てしまいます。
マウスを移動するときに、マウスをひょいと持ち上げてしまいます。
はじめはそのクセが原因か、とも思いました。
しかし、この光学式マウスを持ち上げてみても、カーソルはそこで停止していて、飛んだりはしません。
謎でした。
ネットで検索してみましたら…。
結構皆様お困りのようで…。
おおむねネットでの結論は、「そりゃあ安物だからだよ」「Microsoftの純正品でなくちゃね」「光学式はダメなのです。やっぱレーザーでなくちゃね」ということのようでありました。
むむ。
安物と言われてしまっては…。
そりゃあ決して高級品ではありませんけれど…。
ま。確かに。安いものなのですけれど。
しかし。困りました。
せっかくキーボードとセットになっておりますし、見てくれもそれなりにシンプルですが落ち着いておりますし…。
ねえ。見た目は割りといい感じだと思いませんか。
今更、マウスだけ別に購入してつけるってのも、なんだかしっくりしませんし。
第一、どのメーカーのどのマウスを使ったら大丈夫なのか、ってことをさぐるためには、あれこれ買って試してみなくちゃわからないじゃありませんか。
ま。しかし。まだマウスのせいだ、と決め付けるのは早すぎるのではありませんか。
ひょっとしたら、なにか設定とかドライバとかでクリアできるのでは…。
かくして、またもや貴重な数日を費やしてマウスの正常化に取り組んでみたのでありますが。
だめ。
やっぱり、マウスがおかしい、のですよお。
こんな感じです。
ペイントで適当にマウスをぐるぐる回して線を描いておりますと、突然飛んでしまいます(赤矢印)。
これも、同じです。
これも!
青矢印のあたりはもう制御不能でダッチロールしておりまする。
これも!ひどい!
むむ。
これは一体なんなのだ。
これじゃあ、使い物になりません。
途方に暮れるとは、まさにこのことです。
それとも。
この程度のことは、許容範囲ということなのだろうか?
しかし。
こういう事実がわかった以上、黙って売るつうわけにはいかんでしょお。
仕方がありませんから、「飛ばない」マウスをどこかで仕入れて、それをつけて売るしかありませんでしょう。
そうするしかないか…。
とんでもないコストアップです。
しかし…。
コストアップもさることながら、もうすでにキーボードとマウスのセットをある程度は仕入れてしまっているのです。
ええ。
まさかこんなことになるとは思ってもみなかったものですから…。
そうしますと。
キーボードとマウスのセットから、マウスだけ外して別のしかるべきマウスと交換するってえのはいかがなものでしょう。
そもそもどのようにお客様に説明したらよろしいものか。
実は、仕入れたマウスが飛びますので…。
いや。それは…。
消費者目線は大切ですけれど、しかし、それをやったら、仕入れ先に対して仁義を欠くことになりましょう。
うう。
忠ならんと欲すれば孝ならず…。
っていまどきの方にそんなことを言ってもさっぱりわけわかめでありましょうなあ。
困った。実に困った事態でありました。
が。しかし…。
ええ。私はなかなかにしつこいのです。
諦めが悪いといいますか…。
よくよく考えてみまするに、どうにも納得がいかないのです。
たとえ安価な製品だったとしても、ほとんどが規格化、IC化されてしまっているいまどきの電子製品で、こんな規格外のものが果たしてありましょうや。
私の常識としましては、そこのところが大いに疑問なのですねえ。
で。件(くだん)のマウスをひょいと持ち上げて、ひっくり返してみましたら、こんなものが貼ってありました。
Tested To Comply With FCC Standards
と書いてあります。
しかもfor HOME USEだけではなくて、for OFFICE USEなのですものねえ。
そうなると、そうそういい加減なものではないはずでありましょう。
そもそも一体全体このFCCというのは何者なのでありましょうや。
ま。おそらく、マウス生産者連絡協議会とかなんとかそんなものなのでしょお。
と、思ったのでありますが。
●FCC
念の為にネットで検索してみましたら。
ありました。
しかも。
いやあ、これは、連絡協議会どころじゃありません。
とてつもない大物でありました。
トップページへのリンクはこちら(http://www.fcc.gov/)です。
正式名称はFederal Communications Commissionです。
えっ…?
Federalといいますと、ひょっとして「連邦の…」じゃありませんか。
しかも、ドメイン名の末尾が、.gov ということは、なんと合衆国政府の機関ではありませぬか。
たとえば、かのFBIは、Federal Bureau of Investigationの略称なのであります。
おったまげてしまいましたですねえ。
これはすごい。
なんでも組織のトップに位置するfive commissioners(5人のコミッショナー)はappointed by the President(大統領によって指名される)とありますから、これは大変な組織です(どこぞの国の某消費者庁などとは格が違いますでしょう)。
すると、そのすごい組織の定める指針といいますか基準、規格に基づいたテストを行なった、というシールが貼り付けられたマウスが、飛ぶわけはない。
といいますのがまっとうな結論でありましょう。
してみますると、それが飛ぶというからには、そこにはそれなりの理由がある。
はずなのであります。
確かに。
理由がありました。
ほら。同じマウスですけれど。
飛びません。
いいところなのですけれど。
時間がなくなってしまいました。解決編はまた次回で、ということで。
CPUをつくろう!第713回(2011.1.27upload)を再編集
パソコンをつくろう![第58回]
2011.6.19upload
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