2020.2.12
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パソコンをつくろう!(パソコン自作のすすめ)
組み立てキットを使って自作に挑戦!

[第279回]



●Windows98SEマシンが突然ダウン!

このところずっとトランジスタ版8080CPUのテーマで書いてきています。
その続きとして書くのはちょっとテーマが違いすぎるなあと思って、ずっと以前に書いておりました自作パソコンの連載の続きということで書くことにします。
自作パソコンについて最後に書きましたのは2011年12月26日の[第278回]でしたから、およそ8年ぶりということになります。
おお。パソコン組立キットの再開か。
いえ、そういう話ではありません。
あ。
ひょっとすると、それもありかも。
しかし。
そうだとしてももうWindowsの線はありませんでしょう。
かってはWindows7が意外によくできている、という思いもあって久々にパソコン組立キットに取り組んだのでしたが、そのWindows7もサポートが終了してしまいました。
Windows10などさわる気にもなれません。
まあ、やるとしましたらLinuxということになりましょう。
以前のパソコン組立キットではちょいとUBUNTUに首をつっこんだところで終ってしまいましたが、それから8年、なんだかUBUNTUもメジャーになってしまったようで、久々にさわってみるのもよいか、と思っております。

ううう。
脱線してしまいました。
今回はそういうお話ではありませんでした。
新年早々この老いぼれの身に突然降りかかった災難とその顛末についてのお話であります。
それは先月1月24日の早朝に突然起きたのでありました。
いえ予兆はありました。
それまでにも何回か、あれ?と思うことがあったのですが、幸い大事には至らなかったものですから、ずっと多忙だったこともあって、ついそのまま来てしまいました。
それでその朝も、いつものようにわが愛機Windows98SEマシンの電源を入れようとしてパワーボタンを押しましたら、CPUファンが回りかけてストンと力なく落ちてしまいました。
再びパワーボタンを押したのですが、またCPUファンがクルンと回ってそのまま止まってしまいます。
よく見たらCPUクーラーがほこりだらけでヒートシンクの目が見えないほどにつまってしまっています。
おお。原因はひょっとするとこれだったか。
以前にも何回かこういうことは経験しています。
このままにしておきますとCPUが十分に冷却されなくてオーバーヒートしてしまいます。
最悪の場合CPUが頓死してしまう可能性もあります。
しかし。
稼働中に突然ダウンするならオーバーヒートでしょうけれど、起動できずにすぐ止まってしまうとなると、これはオーバーヒートではありませんでしょう。
最悪の事態、といういやーな予感が脳裏をかすめます。
とにかくは掃除機を持ってきてCPUクーラーのほこりを吸い出しました。
ファンが邪魔で掃除機の先がヒートシンクにまで届きません。
うまく取れないところは綿棒でかき出しました。
ついでにケースの中にたまっていたほこりも掃除して、なんとかそこそこきれいになったので、もういちどパワーボタンを押したのですが。
応答がありません。
うむむむ。
ひょっとすると、電源か?
またしてもいやーな予感です。
電源が破損したとなると、最悪の場合はマザーボードを含めて全損ということもあります。
急いでマザボードおよびHDD、CDROMから電源ケーブルを外して、電源ケーブルの出力電圧を測ってみることにしました。

ATX20pin電源コネクタの端子図です。

[出典]GIGABYTE社 GA−8VM800M日本語マニュアル

私の愛機Windows98SEマシンのマザーボードはGIGABYTEのGA−8VM800Mです。
socket478、Pentium4対応ですがチップセットはVIA P4M800PRO/VP8237Rということなのでちょっと変わり者かなあという印象です。
ネットで確認したところ発売は2005年のようです。
Windows98SEの発売は1999年ですから、ひょっとするとこのマシンは二代目かもしれません。
もう全く記憶にありませんが初代が何かでこわれてしまって、それでこのボードに買い換えたのかもしれません。
上の図のマザーボードの右下にある小さい2個のコネクタはSATAです。
SATAコネクタがあるということからすると、このボードは当時としては割りと新しいタイプだったかもしれません。
それはともかく。
上図右側のATX20pin電源コネクタの端子図はGA−8VM800Mのものですが、これはどのボードでも共通している仕様だと思います。
ATX電源はコネクタをマザーボードから外した状態で電源コンセントにつないでSWオンしても電圧は出力されません。
14番ピンのPS_ONと13番または15番のGNDとを適当な金属ワイヤー(ゼムクリップなどを利用してもよいでしょう)などでショートすると電圧が出力されます。
それで出力電圧をテスターで測ってみたのですが、特に異常はありませんでした。

すると、ひょっとするとあれか。
マザーボード上にCMOSメモリのバックアップ用のボタン電池がついています。
測ってみましたらかなり消耗してしまっています。
新しいものに交換して、CMOSクリアしてみました。
なんらかの理由で電源が入らなくなってしまったときに、CMOSクリアをしてやると正常に起動するようになる場合があります。
CMOSクリアの方法です。
ボタン電池の近くにクリア端子があります。
クリア端子はマザーボードによって2ピンのものと3ピンのものがあります。

[出典]GIGABYTE社 GA−8VM800M日本語マニュアル

コンセントから電源プラグを抜きます。
そのまま数秒待ちます。
クリア端子をジャンパピンでショートします。
どの端子をショートするかについてはマザーボードの説明書に記載があるはずですからそれに従います。
一呼吸待ってからジャンパピンを外してもとの状態に戻します。
これでBIOSの設定値がデフォルトに戻ります。

CMOSクリアをしてみたのですけれど、パワーボタンを押してみてもやっぱり起動しないままでした。
うーん。
こういうことになると、これはやっぱりマザーボードが壊れたか、CPUが壊れたか、いずれにしてもかなりの重症です。
メモリについては異常が発生していてもとりあえずは起動するはずなので、マザーボードかCPUかのいずれかなのかその両方なのかということになりそうです。
考えてみれば、おそらく15年ほどもの間稼動していたことになりますから、ぼちぼち寿命が尽きたとしても仕方がありませんでしょう。
ま。
原因についてはいずれゆっくりと究明することにして、まずはハードディスクの無事を確認しなければなりません。
ところが、ところが。
そのハードディスクにも思わぬ事態が起きていたのでありました。
まさに、白昼の悪夢でありました。

次回に続きます。

パソコンをつくろう![第279回]
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