KL5C80A12マイコンボードの製作
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KL5C80A12はZ80互換の高速高性能8ビットマイクロコントローラです。
残念なことに数年前に生産中止になってしまいました。
しかし当社ではKL5C80A12を使った組込みマイコンボードはまだ健在です。
そのKL5C80A12を使ったND80Z3.5上位互換マイコンボードの製作記事です。
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[第54回]
●MYCPU80BシステムROMメモリマップ
また何日かHPの更新をお休みしてしまいました。
いよいよ年末が近付いてきて、ご注文いただいております分を何とか年内に納めようとしますとなかなかに大変なのです。
まだ作業は残っていますので、もうひと頑張り必要です。
やっと少し時間が取れましたので久し振りの更新です。
MYCPU80BはMYCPU80の改良型です。
MYCPU80が8080互換CPU回路とTK80互換回路を同じ1枚の基板上にのせていたところを、MYCPU80Bでは8080CPU回路部分のみにしました。
そして7セグメント表示や5×5キー入力などの回路は別基板(ND80Z3/MC80)にして、そこにMYCPU80Bを接続したときはND8080互換(TK80互換)になり、MYCPU80Bと切り離してZ80CPUを実装したときはND80Z3.5互換となるようにしました。
前回説明しましたようにMYCPU80B+ND80Z3/MC80の構成の場合にはND8080と同等のシステムになりますから、ND8080用の独立化システム用、新独立化システム用のROMをそのまま使うことができます。
ところでMYCPU80はUSBインターフェースが異なるため、独立化システム、新独立化システムのためのUSB接続システムROMを使うことはできませんが、USB接続を使わない「独立型」としてなら、独立化セット、新独立化セットのどちらにでも接続して使うことができます。
このことはすでに前の回で説明をしました。
しかしMYCPU80Bはそこのところが少し異なります(なかなかにややこしくて私自身が混乱してしまいそうになります)。
MYCPU80BにはRAMは搭載できますが、ROMのための回路は実装していません。
つまりMYCPU80B単独ではシステムROMでの実行はできないことになります。
そのためにMYCPU80B単独では独立化セットに接続することはできません。
しかし新独立化セットなら?
新独立化セットはセットの中にROMおよびRAMの回路が含まれています。
ですからND80Z3.5もND8080も新独立化セットと接続するときは、本体ボード上のROMは外します。
上に書きましたようにMYCPU80Bは本体ボード上にROMを実装できないために、単独では独立化セットと接続することはできませんが、もともと本体ボードにはROMを実装しないで使う新独立化セットになら接続できるはず、ということになります。
それなら同じ8080CPUのND8080の新独立化セット用システムROMを使って、MYCPU80Bを新独立化セットに接続できるはず、なのですが。
そこがまたちょいとややこしい話になってしまいます。
ND80Z3.5もND8080もTK80モニタプログラムとND80Zモニタプログラムの2つのシステムモニタプログラムを搭載しています。
そのどちらかを選択するためにディップスイッチのON、OFFで設定します。
システムが起動するときには、そのディップスイッチの状態を確認することでTK80モニタかND80Zモニタかのどちらかを選択して実行します。
独立化セットも新独立化セットもシステムをND80Zモニタの上に構築しています。
ところがMYCPU80にはTK80モニタとND80Zモニタを選択するためのディップスイッチがありません。
システムプログラムの流れとして、まず先にND80Zモニタが選択されていることを確認して、それから後で独立、新独立システムプログラムを起動する、という手順になりますから、そのままではMYCPU80では独立、新独立システムプログラムを起動することができません。
幸いなことにI/O入出力用の10pinコネクタにちょうど隣り合った入力、出力端子に空きがありましたので、そこにジャンパーピンをセットすることでND80Zモードを選択したことを示すようにできました。
このあたりの経緯についてはCRT/VGAIF+〜ボードの製作[総合第55回]に書いています。
さてそれで、やっと問題のMYCPU80Bです。
MYCPU80BにはディップスイッチもI/O入出力用のコネクタもありません。
それじゃあどうしようもありません。
結局MYCPU80Bを単独で新独立化セットに接続することはできないのか?
なんとかならないものかと思案投げ首でありましたが。
気が付いてみればなんのことはない、自縄自縛に陥っていただけでした。
MYCPU80B単独ではTK80モードとND80Zモードを選択する必要はありませんし、そもそもMYCPU80B単独でROMプログラムを走らせるには今のところ新独立化セットに接続するよりほかはありませんから、TK80モードもND80Zモードも関係なく、POWER ONしたら、いきなり新独立化システムプログラムを起動させればよいのでした。
つまりND8080用/MYCPU80用システムROMの先頭のディップスイッチとI/O入出力コネクタの設定をチェックしている部分を外してしまえばよい、というただそれだけのことでした。
もちろんND8080/MYCPU80用のシステムROMとは別立てになります。
ということで作成した、MYCPU80Bを単独で新独立化セットに接続して実行するためのシステムROMメモリマップです。
KL5C80A12マイコンボードの製作[第54回]
2018.12.14upload
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