2011.1.30
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標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)

[第716回]

●フロントオーディオが使えません

昨年パソコン組立キットに挑戦してくれた([第690回])高校時代の同窓生S君から電話がありました。
「フロントオーディオのヘッドホンが使えないのだけど…」

実はちょっと気にはなっていたのです。
パソコンの組立とWindows7のインストール、それにインターネットの接続やLANやUSBの接続については、動作を確認したのですけれど、オーディオについてはリヤパネルのスピーカ出力にスピーカをつないで音が出ることを確認しただけで、マイク入力やLINE入力、それにフロントオーディオのマイク入力やヘッドホン出力については、確認しなければと思いつつ、つい後回しになっていました。
「そう?使えない?気にはなっていたのだけれど…。あ。じゃあ。確認してまた後で連絡するから」

フロントオーディオは、フロントパネルにあるマイク入力とヘッドホン出力端子です。

さっそく確認してみましたが、確かにうんともすんともいいません。

フロントオーディオのコネクタはマザーボード上にあります。
これ(↓)はパソコン組立キットのマザーボードBIOSTAR G31M+の附属説明書の一部分をコピーしたものです。

緑色で表示されている10pinコネクタがフロントオーディオコネクタです。

そしてこれ(↓)がPCケースのフロントパネルの裏側から出ているオーディオコネクタケーブルです。やはり10pinです。

マザーボードのフロントオーディオコネクタは8番端子がありません。
そしてPCケースのフロントパネルから出ているオーデオコネクタの8番端子は穴がありません。
その8番端子を合わせて差し込めば正しく取りつけられるはずです(向きを間違えると差し込むことができません)。
ちゃんと向きを合わせて接続しました。

これだけのことですから、間違いはないはずです。
でも、フロントパネルのヘッドホン端子にヘッドホンをつないでもさっぱり音は聞こえません。

で。
ネットでいろいろ調べてみましたら、またまたとんでもないことがわかってきました。

●フロントオーディオに2つの規格が…

パソコン組立キットのマザーボードBIOSTAR G31M+のオーディオシステムは、上のG31M+附属説明書のコピー写真でピンクで囲ってある説明にありますように、High−Definition Audio(HDオーディオ)という規格なのですが、それとは別に、AC’97オーディオという規格があるということがわかりました。
HDオーディオのほうが新しくできた規格ですが、どちらもIntelが提唱した規格なのだそうです。
その2つの規格が、とんでもないことに、互換性がない、ということらしいのです。
ほんとうにとんでもないことです。
ともに10pinのコネクタなのですが、信号が一部異なっています。

こちらがHDオーディオの信号です。
Mic Left in 1 2 Ground
Mic Right in 3 4
Right line in 5 6 Mic Sense
Front Sense 7 8
Left line in 9 10 Line Sense


こちらがAC’97オーディオの信号です。
Mic Left(緑) 1 2 Ground(黒)
Mic Right(青) 3 4
ヘッドホン右(紫・赤) 5 6
7 8
ヘッドホン左(黄・赤) 9 10

色はこのパソコン組立キットのPCケースTK−920のフロントオーディオコネクタのケーブルの色です。
HDオーディオの7pinはFront Sense、6pinはMic Sense、10pinはLine Senseになっています。
対してAC’97オーディオでは7pinは空きになっています。
そして6pinは5pinと、また10pinは9pinとそれぞれつながっています。
どうやらこのあたりの違いが問題のようです。

しかし、よくもまあ、次から次へと問題が出てくるものです。
2011.1.30upload

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