2016.9.18
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マイコン独立大作戦
CRTインターフェースボードの製作

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WindowsパソコンにUSB接続して使う現行方式はそれなりに便利ではありますが、ときとしてWindows
のしがらみから開放されて、小さいながらも独立した一個のパソコンとして機能したいと思うこともあります。
昔はそれが普通のことだったのですが、安価なCRTディスプレイが生産中止となって久しい今日ではそれ
は叶わぬことと諦めていたのですが…。
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[第17回]


●おお!VGA!

CRTインターフェース回路の説明の続きを書く予定だったのですが、急遽予定変更です。
この4、5日の間、またまた大変なことを思いついてしまって、それで苦闘しておりました。
本日はその成果の披露です。

先日お客様から「CRTインターフェース期待しています」というメールをいただきました。
そのメールには「コンポジットビデオじゃなくてVGAのボードはできませんか?文字に色はつけられませんか?」というお尋ねといいますか、ご希望が書き添えてありました。

VGAはですねえ。
クロックが高いのでTTLじゃ無理なのです。
かって安価なモノクロモニタディスプレイが製造中止になってしまって、それで代わりにPC9801用の24MHzのカラーディスプレイにまではなんとかついていったのですけれど、PC9801も終ってしまって、次はDOS/Vということになったのですけれど、DOS/V用のディスプレイは30MHz以上ということで、とうとう独自のディスプレイインターフェースを断念してしまった経緯があります。
そのようなことを書いてご返事したのですけれど。

よく考えてみましたら、VGA信号について詳しいことは何も調べてなかったことに気が付きました。
うーん。
できない理由の口実をつくるためにも、やっぱりVGA信号について一通りは調べてみないといけませんでしょう。
で。
ネットで検索してあれこれ調べてみましたら。
一口にVGAといっても、いろいろな表示モードがあるのですね。
そのなかで、ドット表示周波数が25.175MHzという規格に気が付きました。
おお。
知らなかったなあ。
25MHzというのがあったのか。
それならなんとか料理できるかも。
その周波数での表示モードのなかに、ありがたいことに640ドット×400ラインというのがありました。

以下はTynyVGA.com(http://tinyvga.com/vga-timing/640x400@70Hz)から、転記させていただきました。

VGA Signal 640×400@70Hz

垂直同期周波数  70Hz
水平同期周波数  31.46875KHz
ドット表示周波数  25.175MHz

水平表示期間    640ドット(80CHR)
フロントポーチ    16ドット(2CHR)
水平同期パルス幅 96ドット(12CHR)
バックポーチ     48ドット(6CHR)
総ドット数/行    800ドット(100CHR)

垂直表示期間    400行
フロントポーチ    12行
垂直同期パルス幅 2行
バックポーチ     35行
総ライン数      449行

この数字を見ていましたら、現在開発中のCRTインターフェースの回路になんとか追加して、切り換えて使うことができそうに思えてきました。
いやいやいや。
それはきっと悪魔の誘惑ですぞ。
誘惑にのってはなりませぬぞえ。

でも。
試作中の基板を眺めておりますうちに。
我慢できなくなって、とうとう誘惑にのってしまいました。

その結果。
またしてもこんなものすごいことになってしまいました。

もうこれ以上は手を加えられません。
ですので一部未完成ですけれど、一応は動くところまでできました。

VGA15pinコネクタケーブルをつないで試運転です。


苦闘の結果をご覧いただきましょう。

VGAは画面表示のためのR(赤)、G(緑)、B(青)の各映像信号と、それと独立した水平同期信号、垂直同期信号を入力することで表示を行ないます。
上の写真ではB(青)のみを入力しました。

G(緑)のみを入力しました。


R(赤)のみを入力しました。


G(緑)とB(青)を同時に入力しました。
シアンになります。


G(緑)とR(赤)を同時に入力しました。
黄になります。


R(赤)とB(青)を同時に入力しました。
マゼンタになります。


R(赤)G(緑)B(青)を同時に入力しました。
白になります。

上に書きましたように一部回路が未完成です。
もともと80字(640ドット)×200行表示ということで作成した回路をそのままにしておいて、そこに80字×400行の表示を無理やりはめこもうとしたため、食い違いができてしまいました。
実は2、4、6…の偶数行の表示がつぶれて1ラインだけ痕跡のように表示されています。
理由はわかっていますので、基板化するときにはなんとか直すつもりです。

表示の一部を拡大してみました。

映像信号そのものはコンポジットビデオ信号とほぼ同じ0.7Vp−pですが、水平同期信号と垂直同期信号が分離されているため、画像の表示はシャープです。

今回は文字に色がついた画面をお見せしましたが、文字ひとつひとつに色をつけるところまではできません。
そうするためには、各文字のアトリビュートを格納し表示するための別のメモリ回路などが必要になりますから、とてもそこまでは現行回路につけ加えることはできません。
それは今回の基板が完成したあとで、そのバージョンアップ版として考えたいと思います。

今回は急遽VGA表示画面のみを見ていただきました。
回路の説明の途中でしたが、VGAの回路がつけ加わることになってしまいますから、そちらのほうの説明もしなければなりません。
ただでさえややこしい回路ですのに、なんだか大変なことになってきてしまいました。
おお。
それよりも、試作基板のアートワーク変更作業がとびっきり大変です。
果たしていつになったら完成するのでありましょうか。

CRTインターフェースボードの製作[第17回]
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