2013.5.23
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第401回]


●CP/M互換DOSのための配線変更(ND80Z3.5)

ND80ZVにつきましては、この連載がはじまったすぐあたりのところから、RAMを増設するために基板の改造が必要ですということを説明してきました。
当初はそのようにND80ZVの本体基板も配線の変更が必要ですというように説明をしてきましたが、本体基板を傷つけたくはないというお客様からのご意見などもありまして、今年になりましてからND80ZV本体基板は一切改造しなくてもよいように考えて、そのためにND80ZV専用のメモリ増設基板を作りました([第357回]および[第358回]参照)。
ですのでND80ZVにつきましては、CP/M互換DOSを走らせるために、専用の増設RAMボードは必要ですが、そのためにND80ZV本体基板の配線を変更したりする作業は一切必要ありません。

一方ND80Z3.5なのですが、こちらは最初からそのような作業をしなくてもよいようにと考えて、増設RAM部分も最初から本体基板の上に配線してあります。
ですからND80Z3.5でCP/M互換DOSを走らせるためには、増設するRAMのためにICソケットをハンダ付けして、そこにRAMを実装するだけで済みます。

のはずだったのですが…。
Y様から送っていただいたMBASIC用のSTARTREKを実行させてみたところ、信じられないエラーが発生して、その原因がわからず悪戦苦闘してしまいました([第365回])。
どういうエラーだったのかということについてはいずれ説明いたしますが、とにかく信じられないエラーでありました。
いろいろ確認していきますうちに、ND80ZVではそのエラーが発生しないことがわかりました。
その時点ではND80Z3.5については製品版ではなくて、試作基板を使って動作テストをしていましたので、何か基板に不具合でもあるのかと思い、とうとう製品基板を使って完成品を1台組み立ててしまい、それで動作テストをしてみました。

結果はやっぱり同じでした。
ND80ZVでは正常に動作するものがND80Z3.5だときわめて異常なことが発生します。
しかし不思議なことにあるBASICのある特定の命令(RND関数)の特定の1箇所だけ、マシン語の命令が異常な動作をするという、摩訶不思議なエラーです。

摩訶不思議ではありましたが、さらに追求を続けました結果、ND80Z3.5の増設RAM回路に問題があることがわかりました。
こちらがND80Z3.5のメモリ回路です。



IC28のRAMがCP/M互換DOSのための増設RAMです。
このRAMはND80Z3.5組立キットには含まれていません。
CP/M互換DOSのセットに含まれます。
その回路の○で囲ったところに異常動作の原因がありました。
pin20(CE)とpin22(OE)をともにRAMセレクト信号につないでいます。
これじゃWRITEできないでしょう?
と思われるかもしれませんが、こういう配線も有りで、RAMの技術資料にはこういう場合のアクセス波形もついています。
私も昔から配線が面倒なときはこのように配線してきたこともあります。
ですからこれでもよかったはずなのですが、やっぱりある特定のタイミングでREADからWRITEに切り替わるときにおそらく強烈なスパイクノイズが発生して、それでCPUが狂ってしまう、ということが発生するのかもしれません。

それで、おとなしく下のように回路を変更しましたところ、CPUの異常なふるまいはピタリと直ってしまいました。



というわけで、ND80Z3.5をお持ちの方でCP/M互換DOSをご購入いただきます場合には下記のような配線変更をしていただくことになりますので、まことに申し訳ありませんが、そのようにご了承いただきますようにお願い申し上げます。

作業は1箇所の配線カットと1箇所の追加配線です。

IC28に28pinのICソケット(これもCP/M互換DOSセットに含まれています)を取り付けたあと、基板裏でpin22から下に伸びているラインを隣の線を傷つけないように注意しながらカッターナイフなどでカットしてください。
そのあと、そのpin22とその上にIC11(RAM)のpin22から下に伸びているラインを配線します。

ところがこの追加配線がちょいとわけ有りで、かなり長い間どうしたものか悩んでおりました。
実は。
上のIC11のpin22から伸びてきているラインの先のスルーホールは穴径が小さくて普通の配線材やリード線は通らないのです。
まあ穴に通さなくてもそこにハンダをつけてそこにリード線をとりつけてもいいのですけれど、やっぱりできれば穴に通したうえでしっかりハンダ付けをしたいなあと思います。

で。
ちょっと太目のビニール被覆線を使っていただくことにいたしました。

細い線がたくさん入っています。
適当な1本をピンセットで引き抜いて、これを追加配線に使います。
かなり細い線ですが、大きな電流が流れるところではありませんから細くても大丈夫です。

この細さなら小さいスルーホールでも下の写真のように通すことができます。


そういうことで、ND80Z3.5をお持ちの皆様にはまことに申し訳ありませんが、CP/M互換DOSをご購入いただきましたならば、上記の配線変更作業をしていただきますようお願いいたします。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第401回]
2013.5.23upload

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