2013.2.23
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第327回]


●E−80(仮称)ミニコンのCPUクロック回路

やっとのことでE−80(仮称)ミニコンの2回目の試作基板のアートワーク作業が完了してガーバーデータを基板屋さんに送って、ほっと一息つきました。
それからこれまたずっと遅れに遅れておりましたND80ZV用のCP/M互換DOSのためのRAM増設基板も、前回書きましたようなお粗末な顛末もありましたが、お蔭様にて無事基板屋さんに製作依頼をすることができました。
どちらの基板もおそらく3週間ほどで出来上がってくることと思います。
それまでの時間を利用しまして、いよいよソフトウェアの完成に向けてのラストスパートです。
というわけで、裏方では相変わらずの多忙な日々が続きますが、その一方で当記事のほうも完全にまとまりを欠いたままの状態から抜け出しておりませんので、これはこれでなんとかせねばなりませぬ。
でもまあ、なんともなりませんですねえ。
相変わらずのまとまりのない文章が続くことになりますけれど、ご辛抱いただいて、気長にお付き合いをいただきますようお願いいたします。

確かE−80(仮称)ミニコンのイニシャルプログラムローダー(IPL)について説明申し上げる直前あたりのところから、82C55A−2のアクセスタイムのお話に分け入ってしまって、そのままずっとCPUクロックのお話やらZ8S180の新機能のお話しやらに進んできてしまいました。
ぼちぼちIPLのお話に戻らなければならないのですけれど、ことのついでと言いますか、ちょうどZ8S180の新機能についても説明が及んだところですので、もう少しその関連でE−80(仮称)ミニコンのクロック回路などにつきましても整理しておきたいと思います。

[第321回]に書きましたように、Z8S180はもとは日立のHD64180のセカンドソースとしてスタートしたのでしたが、その後にZilogが独自の機能を追加してバージョンアップされています。
追加された機能のうちでも[第320回]で紹介いたしましたCPUクロックを外部クロックの倍にできるという機能は、たとえば10MHzのクリスタルを外付けするか、外部から10MHzクロックを供給することで、内部では20MHzの動作をさせられるということで、これは非常にありがたい機能だと思います。

CPUに内蔵するI/Oレジスタ1EH、1FHの設定によって、ソフトウェアによって、CPUクロックを外部クロックの1/2、等倍、2倍と3通りにできますから、用途によってはクロック回路を簡略化することができます。
E−80(仮称)ミニコンの場合、Y様の希望でCPUクロックをディップスイッチによって2MHz、4MHz、10MHzに切り換えることができる仕様になっています。
私は不勉強にして日立のHD64180はさわったことがなかったものですから、E−80(仮称)ミニコンの最初の試作版を作った段階では、Z8S180にはCPUクロックと同じ周波数を供給する設計になっていました([第264回]参照)。

試作版が出来上がってきて実際に動かしてみて、余りに遅いことから、HD64180にはCPUクロックの2倍のクロックを供給しなければならないことに初めて気が付きました。
そこで当初は20MHzの水晶発振回路からロジック回路によって2MHz、4MHz、10MHzを作り出していたところを、20MHzはもとのままCPUに供給するほかに、新たに8MHzの水晶発振回路を設けて、そこから8MHzと4MHzを作ってCPUに供給するように設計を変更したのでした([第265回]参照)。

さらにはZ8S18020を20MHzaで動かしてみたい、という気持から40MHzのセラミック発振子の回路まで新設してしまいました。
もしもこの時点で、現在のZ8S180がバージョンアップされていて外部から供給するクロックをCPUクロックと同じ周波数にできる、ということに気がついていましたならば、そのような無駄な設計変更をせずとも済んだのでありますが、それに気付きましたのが、全部アートワークをやり直してしまった後でしたから、文字通り後の祭りでありました。

40MHzのセラミック発振子の回路まで搭載してしまった現在のCPUクロック回路の回路図は[第267回]でお見せしておりますが、その後にほんの少しだけですけれど一部を変更しましたので、あらためてお見せすることにいたします。



しかし。
後の祭りなどと言って澄ましておれることではありません。
このように設計を変更したままで進めるか、もとの回路に戻すかによって、わずかとは言え量産時のコストが変わってきます。
しかし、その一方で、すでにそのようにアートワークまで変更して試作基板を発注する目前まできておりますものを、ここでまたアートワークを変更するということになりますと、さらに手間と日数を要することになります。
なかなかに悩ましい問題です。

もちろんこれは私の一存でどうこうできることではありませんので、いかがいたしましょうか、とY様にお尋ねいたしました。
Y様からのご返事は。

現在の設計のままでいきましょう。
フロントパネルでの操作を考えると、CPUクロックをプログラムの実行によって変える、という仕様は避けたいと思います。

あ。
そういうことでしたら。
確かに。現在の設計のままでいけます。

ということで。
上のところでお見せしたクロック回路に決定いたしました。
もっともセラミック発振子の回路は無くても全く支障はありませんから、取ってしまってもよかったのですが(Y様からもそのように言われました)、せっかくつけた回路ですしこれはこれで何かの遊びにでも役立つかと思いますので、これはこのまま残しておくことにいたしました。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第327回]
2013.2.23upload

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