2013.1.15
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第294回]


●D1信号のオシロスコープ波形

前回は、ご覧いただきましたデータバスD1の波形についてもう少し説明したいことがあったのですが、時間がなくなってしまいましたので説明できませんでした。

実は私自身、実際にこの波形を見るまでは、74HC04の出力がちょっと遅過ぎるのではないか、という疑問をいただいていました。
写真の画面で、左端から0.2μsのところでメモリからの出力がオフになって、プルアップ抵抗だけによってゆっくりと+5Vに向かって上昇しています。
それが+5Vに達するまでに0.5μsもかかっています。
これほど立ち上がりが遅いとは思ってもいませんでした。

まあ、確かにデータバスラインもあちこちいっぱい引き回していますから、浮遊容量もそれなりに増大するとは思いますが、それにしてもここまで遅延するほど浮遊容量が大きいとはとても思えません。
なんでもラインにつながった出力ゲートの寄生容量も関係するとのことですので、そういうことですと、確かにバスラインにはメモリ、PPIほか74HCもいっぱいぶら下がっておりますから、ひとつひとつの寄生容量は小さくても、それがまとまればこういうことになってしまうのかもしれません。

ためしに、いったいそれがどれほどの静電容量なのかを計算してみました。
上の写真で、CH1の信号が0Vから2.5Vに達するまでの時間は約0.3μsです。
データバスラインは4.7KΩの抵抗を使って2箇所でプルアップしていますから合成抵抗値は2.35KΩです。
遅延時間の公式は、
t≒0.8RC
ですから、その式に0.3μsと2.35KΩを当てはめますと、
C≒0.3/0.8/2.35≒0.16μF
というなんともびっくりな値になってしまいました。

上の写真をご覧になって、データバスラインの波形がずいぶん崩れているとお感じになられたかも知れませんが、きれいな波形が維持できるほどシンプルな回路ではないのです。

こちらはE−80(仮称)ミニコンのメイン基板とフロントパネル基板の写真です。
いずれもデバッグ中の試作基板です。

しかし、この写真をご覧いただいただけでは、その実態はご理解いただけません。

基板を裏返しますと、とても尋常な回路ではない、ということをご納得いただけるかと思います。
こんな有様なのであります。

この状態で、データバス1本当たりの総延長はおよそ2m位になるかと思います。
信号波形も崩れるわけです。

こちらは上の写真の右下部分を拡大した写真です。
STOP回路に追加した部分(CB〜FDの検出回路)です。

この回路は結局は使わないことになりましたが、このジャノ目基板にはそれ以外の部分も載っていますから、はずしてしまうことができません。
ですのでつけたままにしてあります。

こちらはもう一方の、左下部分を拡大した写真です。

もう完全にスパゲッティ状態です。
この回路につきましては、次回以降にて説明の予定です(これが隠し玉です)。

こうやって写真を見ていただきますと、すごいなあ、と感じていただけると思います。

しかし。これでまともに動くのか?
ええ。
動いています。
おかげさまで誤動作もせずに。

ちょいと口幅ったい言い方ではありますが、こんな風にめちゃめちゃに線を引き回しましても、ちゃんと誤動作せずに動くというところが、ウデなのでありますよ。
この道ン十年、だてにメシ食ってきたんじゃありませんもの。
なんちゃって。

ああ。
内緒で、本当のことを申し上げますと。
実は。
内心ひやひやしておりましたのです。
うう。
ちょっとここまでやっちゃあやばいんじゃないのお?
ひょっとしたら誤動作しちゃうかも…なんて思ったりしまして。
いやあ。
日々是挑戦。
まことにスリルある人生でございます。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第294回]
2013.1.15upload

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