8080マイコンをつくろう!(TK−80完全復活!)
なんと8080です!
もちろん、BASICからCP/Mまで、できます!
36年の時を経ていまよみがえる
8080CPUマイコン組立キット!
なんたってはるか昔の生産中止品を集めて作る組立キットです。
生産前から堂々予告です。
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即生産終了!売り切れ御免!




2016.3.15

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[第3回]

●8080A User’s Manual

前回は8080のCPUクロックの説明をするのに、8224のDatasheetを引用しました。
ちょっと時間がなくて、8080 User’s Manualのどこにそれが書いてあるか見つけられなかったからです。
なんたって200ページ以上もあるすごいマニュアルですのでそりゃあもう一苦労です。

[出典]Intel Corporation:8080 Microcomputer Systems User’s Manual(1975)

後になってから落ち着いてよく読んでみたら書いてあるところがみつかりました。


[出典]Intel Corporation:8080 Microcomputer Systems User’s Manual(1975)

こちらがDC規格です。

[出典]Intel Corporation:8080 Microcomputer Systems User’s Manual(1975)

IHC(Clock Input High Voltage)のところにMin.9.0Vと書いてあります。
8080AのCPUクロックは最低でも+9Vの電圧が必要ということです。
クロックのHレベルを認識する最低電圧が+9Vということですから、せめて10Vはないと駄目ということになりますでしょう。

こちらはAC規格です。

[出典]Intel Corporation:8080 Microcomputer Systems User’s Manual(1975)

上から2行目のt、t(Clock Rise and Fall Time)を見ると、Max.50nsと書いてあります。
クロックの立ち上がり、立ち下がりの勾配は最大でも50nsです。
+9Vを超えるパルスで立ち上がり、立ち下がりの勾配が50ns以下というのはなかなかに厳しい規格です。
確かに8080は最初の本格的な8ビットCPUということで、大センセーションを巻き起こしたのですが、しかし技術的には相当に難易度が高いLSIだったのです。

●MEMR、MEMW、IOR、IOW

難易度が高いのはクロックだけではありませんでした。

下は8080Aの端子の説明です。

[出典]Intel Corporation:8080 Microcomputer Systems User’s Manual(1975)

DBINとWRはありますが、メモリとI/Oのアクセスを分離するMEMRQ、IOREQに相当する端子がありません。
DBINのところを読みますと
This signal should be used to enable the gating of data onto the 8080A data bus from memory or I/O.
と書いてあります。
WRのところには
the WR signal is used for memory WRITE or I/O output control.
と書いてあります。
どう考えたって、この信号を使うにはMEMRQ、IORQが必要なはずです。

実は8080Aは実に面倒な方法で、MEMR、MEMW、IOR、IOWを仕込んでいたのです。


[出典]Intel Corporation:8080 Microcomputer Systems User’s Manual(1975)

8080の命令は1〜5マシンサイクルで構成されます。
各マシンサイクルの先頭でSYNCが出力される期間にデータバスのD0〜D7にステータス情報が出力されます。
このときOUT(IOW)がD4に、MEMRがD7に出力されます。
これとDBIN、WRとを組み合わせてIOR、MEMR、IOW、MEMWを作ってくれい、ということのようなのですけれど、実にたまらんなあ、という感じになってしまいます。
ちょっと見にくいですけれど右側の図では8212を使っています。
でもよく見るとどうやらステータス情報をラッチして出力しているだけで、IORとかMEMRとかが出力されているのではなさそうです。
それらの信号はこの後ろにまだ回路を付加して作り出さなければならないようです。

●8212

参考までに、8212のDatasheetです。

[出典]Intel Corporation:8080 Microcomputer Systems User’s Manual(1975)

8080 User’s Manualを更によく読んでみましたら、こんな参考回路図がみつかりました。


この回路図では8212とゲートICを使ってIOR、MEMR、IOW、MEMWが作り出されています。
ただこの回路図で8212に入力されているのはSYNCではなくて、STSTBという信号です。
STSTBという信号は8080の端子にはありません。
どこにあるのかといいますと、前回説明しました8224から出力されているのです。
うむむ。
実にややこしい。

ともかくそういうことなのですが、実は元祖TK−80には8212も使われているのですが、IOR、IOWなどの信号を作り出すためとしては8212ではなくて8228が使われています。

説明の途中なのですが、本日は時間がなくなってしまいましたので、この続きは次回にいたします。

8080マイコンをつくろう![第3回]
2016.3.15upload

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