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すべてはここからはじまりました。
中日電工も。
４０年前を振り返りつつ新連載です。
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［第１回］
●プロローグ
およそ２年ほど前の２０１８年６月のある日。
ずっと懇意にしていただいておりますＪ大学Ｉ先生からメールをいただきました。
ご注文の打ち合わせのついでにということで。
「いつか整数BASIC の構造がどうなっているのか、解説していただきたいと思っています」
なるほど。
確かにＺＢ３ＢＡＳＩＣは大きくなりすぎました。
ユーザーが参考にするには重過ぎるかもしれません。
「そうですね。ＰＡＬＯ ＡＬＴＯ版などが適当かもしれませんね」
いつかそのうちやりましょう、とご返事いたしました。
そういえば中日電工のＺＢ３ＢＡＳＩＣももとはと言えば、当時（４０年ほど前）に雑誌（多分「Ｉ／Ｏ」）に掲載されたＴＩＮＹ ＢＡＳＩＣのバイナリデータ（もう１６進数ベタ）を見てコーフンし、およそ７００バイトほどのその１６進コードを、手作りしたばかりの８０８０マイコンボードに打ち込んだことから始まりました。
電通大版とかだったように記憶していますがなにしろ遠い昔のことですから違っているかもしれません。
思えばなつかしいです。
結婚して２年ほど経ったばかりで子供もまだ生まれていませんでした。
妻に頼んでその１６進コードを入力してもらいました。
今時と違って当時はアセンブラなどを使えるのは大学の研究室など限られたところだけで、もちろん一般のホビイストにそんなツールがあるわけはなく、ひたすら雑誌に掲載された１６進コードを一心不乱に打ち込むのが普通のことでした。
まあ、私にそんな退屈なことができるわけはなく、当時も今もそういう退屈な作業はすべて妻に任せてしまいます。
そんなわけでプログラムの構造とかどこがどうなっているのかなどの詮索は二の次で、とにかくＢＡＳＩＣが、ＭＹコンピュータで動くのだ！
それはもう夢のような話でした。
それが動いたときの感激！
簡単な整数演算しかできませんが、それでも（）を何重にも使った複雑な式でも計算できてしまうのはまさに驚異でありましたし、不思議でもありました。
たった数百バイトのプログラムでどうしてこんな計算ができるのだろう？
なんとかその仕組みを知りたいものと思い、８０８０の命令表を見ながらその１６進コードを１つずつ「ハンド逆アセンブラ」で翻訳してノートに書き留めていきました。
そのうちにこれを改良してもっと機能の高いものにしてみたいと思うようになりました。
本当のような嘘のような話ですけれど、現在ＮＤ８０Ｚ３．５やＮＤ８０８０のシステムＲＯＭに入っている浮動小数点演算のできるＺＢ３ＢＡＳＩＣは間違いなくその昔のＰＡＬＯ ＡＬＴＯ ＴＩＮＹ ＢＡＳＩＣをもとにして作り上げてきたものなのです。
おそらく皆様の中には自分自身でＢＡＳＩＣのようなプログラムを書いてみたいとお思いの方も少なからずいらっしゃるのではと思います。
しかし初歩の解説書などは皆無でありましょう。
もういきなりＣ＋＋でありますとかＶｉｓｕａｌＸＸでありますとかそういったレベルの参考書になってしまうかと思います。
そうではなくて、もっともっと単純で、そんなコンパイラなどというだいそれたものを使わなくてもそれこそその気になれば８０８０のマシン語コード（バイナリコード、１６進コード）を直接メモリに打ち込んでいくことでも動いてしまうくらいのＢＡＳＩＣシステムでしたら、ひょっとしたらオレでもわかるかも、オレだって作れるかも、と思っていただけるのでは。
ＴＩＮＹ ＢＡＳＩＣはそんなＢＡＳＩＣなのです。
しかしだからといって決して粗雑なつくりなどではありません。
４０年以上経った今、あらためてそのプログラムリストを見ても「さすが。よくぞここまで」と思うほど見事なプログラムです。
ＮＤ８０Ｚ３．５、ＮＤ８０８０、ＭＹＣＰＵ８０をはじめとしてその他のマイコンボードをご愛用いただくユーザー様も増えてきました。
そのユーザーの皆様にそれらのマイコンボードをさらに活用していただくためにもＴＩＮＹ ＢＡＳＩＣはまたとない教材になると信じています。
インターネットからダウンロードした雑誌掲載記事。
「ＩＮＴＥＲＦＡＣＥ ＡＧＥ」１９７６年１２月号の記事。
２年近くも前にダウンロードしたのでどのサイトからだったかはっきり覚えていません。
↓こちらからだったと思いますが、他からもダウンロードできるかもしれません。
http://www.bitsavers.org/pdf/interfaceAge/197612/092-108.pdf
ＮＤ８０Ｚ３．５に移植して動き出したＴＩＮＹ ＢＡＳＩＣです。
復活！ＴＩＮＹ ＢＡＳＩＣ［第１回］
２０２０．５．１８ｕｐｌｏａｄ
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