ＰＩＣＢＡＳＩＣコンパイラ
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まるでインタプリタ。でもコンパイラです。超カンタン超シンプルです。
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［第５７回］



●Ｒ＋＋，Ｒ−−

前回のサンプルプログラムを書いていて突然思い出しました。
ＰＯＲＴＣ＝ＰＯＲＴＣ＋１
という計算式なのですが。
ａ＝ａ＋１
でも同じです。
ＢＡＳＩＣのごく一般的な数式の表現です。
ＢＡＳＩＣでは変数に何かを加算するときにはそのように書く決まりになっています。
前回のプログラム例にもあるようにその「何かを加算する」場合にそれが＋１であることがよくあります。
それで。
ある変数に１を加算する場合にＣでしたら皆様よくご存知の通り
Ｒ＋＋
と書きます（Ｒは変数）。
Ｒ＝Ｒ＋１
の省略形のようなものです。
Ｒ＝Ｒ−１
の場合にはＲ−−
と書きます。
私はＣ（Ｃ＋＋）は嫌いです。
Ｃ＋＋で書かなければどうしようもない場合が多いので仕方なく使っています。
しかし唯一このＲ＋＋（およびＲ−−）だけは気に入っています。
簡便でよいですね。

で。
四則の計算のところを組み込むときに（［第１７回］参照）これもあると便利だからと思いついてＲ＋＋、Ｒ−−も組み込みました。
前回のためのサンプルプログラムを書いていてそのことを思い出したのです。
確かどこかで書いたはず、と思って過去記事を確認したのですが出てきません。
あれこれ書くことが多すぎてつい書くのを忘れてしまったのかもしれません。
［追記］やっぱり書いておりました。［第１０回］参照。

せっかく思い出しましたので今回はＲ＋＋について書きます。
Ｒ−−も同様ですが冗長になるので省略します。

実際のプログラム例で示します。

10 TRISC=0 20 *bsloop 30 PORTC++ 40 goto *bsloop

前回のプログラムはもともと簡単なものでしたがこのように書くとさらに簡単になってしまいます。
で。
このプログラムをコンパイルしますとこのようなファイルが生成されます。

2040 ; 10 TRISC=0 2040 000e movlw D'0' 2042 946e movwf TRISC 2044 ; 20 *bsloop 2044 bsloop 2044 ; 30 PORTC++ 2044 822a incf PORTC 2046 ; 40 goto *bsloop 2046 22ef goto bsloop 2048 10f0

ＢＡＳＩＣ命令のＰＯＲＴＣ＋＋が翻訳されてｉｎｃｆ　ＰＯＲＴＣになっています。
Ｒ＋＋はＰＩＣアセンブラ命令のｉｎｃｆ　Ｒに１対１で翻訳されます。
リストの左側に表示されているＰＩＣマシン語コードに注目してください。
実は［第５５回］で作成した「アセンブラ　ｉｎ　ＢＡＳＩＣ」のサンプルプログラムのマシン語コードとそっくり同じです。
下に再掲します。

2040 ; 10 'asmtest 2040 ; 20 TRISC=0 2040 000e movlw D'0' 2042 946e movwf TRISC 2044 ; 30 asm 2044 ; 40 *loop 2044 loop 2044 ; 50 incf PORTC 2044 822a incf PORTC 2046 ; 60 goto loop 2046 22ef goto loop 2048 10f0 204a ; 70 endasm

ということは。
当然のこととして今回作成されたＰＯＲＴＣ＋＋のサンプルプログラム（をコンパイルしてできたマシン語のプログラム）を実行すると［第５５回］と全く同じように高速でプログラムが実行されます。
下が今回の出力波形です。
［第５５回］と同じ波形になっています。


時間軸を拡大しました。


あれ。
ＢＡＳＩＣでは速度が間に合わないような場合に「アセンブラ　ｉｎ　ＢＡＳＩＣ」の機能を使うとより高速でプログラムが実行できます、ということをアピールするつもりだったのですが、こと今回のＲ＋＋命令に限っては逆にＰＩＣＢＡＳＩＣコンパイラがこんなに便利、というアピールになってしまいました。

ＰＩＣＢＡＳＩＣコンパイラ［第５７回］
２０２３．７．２６ｕｐｌｏａｄ

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