2024.4.11
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第442回]



●「1/2TR373」の動作テスト(4)オープンコレクタ(2)

前回からの続きです。
前回もお見せしましたが以下の説明でも使いますから同じ回路図を再掲します。

「ダイオード版」の「1/2TR373」の回路でRSフリップフロップの一部をオープンコレクタにして少し低い周波数のパルスを入れたところ前回お見せした出力波形(下の写真)になってしまいました。

上側(CH1)はG入力(250KHz)で下側(CH2)は1Qの出力波形(31.25KHz)です。
1Dには1Qと同じ周波数(31.25KHz)を入力しています。
1D=1Q=Hのときは正常に出力されていますが1D=Lのときには入力が完全にはラッチされない状態で出力されてしまっています。
しかしこれだけでは何が原因でこうなるのかよくわかりません。
そこで別のポイントの波形も確認してみました。

上側(CH1)はG入力(250KHz)です。
下側(CH2)は上段のRSフリップフロップ(T5、T6)の入力波形です。
それはダイオード+インバータ回路(T1、T2)の出力であると同時にそこに下段のRSフリップフロップ(オープンコレクタなのでT7はなくてT8のみ)の出力がR10を介してつながったポイントでもあります。
このポイントの波形が反転して1Qの出力波形になります。
G入力に同期して深く切れ込みが入っているところが1Q出力では逆に上向きのパルスになっていることがわかります。
この波形を見ているうちにその理由に気が付きました。
ただこの波形でひとつ気になるのは、G入力波形のL部分に対応して深く切れ込みが入っているはず、と思えるのになぜか前後の波形だけそれと異なっていることです。
上の写真で見て立ち上がり直前(左側)のその部分はLレベル(ダイオードのせいで0.8Vほど浮き上がっている)でほかの3つの切れ込みとは逆に上向きの波形になっています。
それとは逆に最後の部分では一度立ち上がった後そこから下に沈んでいます。
こちらもダイオードのせいでHレベルがVccから0.8Vほど低い電圧になっていてそこから+5Vまで急に立ち上がっています。
そこの部分の1D入力がどうなっているかを見れば何かわかるかもしれないと思ってその波形も確認してみました。

上側(CH1)は1D入力(31.25KHz)です。
下側(CH2)は上段のRSフリップフロップ(T5、T6)の入力波形です。
前後の波形はどうやら1D入力の立ち下がり、立ち上がりと関係がありそうなのですがよくわかりません。
多分ここでその点について追求しても藪に入っていくだけだけだと思いますから置いておくことにします。
それで他の3つの切れ込みについては多分こういうことだと思います。
前にも書きましたがオープンコレクタの欠点は出力の立ち上がりが遅いことです。
上の波形を見てあらためてそのことに気が付きました。
もしオープンコレクタ(T8)の出力の立ち上がりが速ければそれはR10を介してすぐにこのポイントに伝達されるのでCH2のHレベルの波形はフラットになります。
現状は立ち上がりが遅いためG入力クロック(250KHz)の半波(2μs)以内には間に合いません。
上の波形はそのことを示しています。
G入力がLになるとCH2のポイントはハイインピーダンスになります。
しかしオープンコレクタ(T8)の出力は立ち上がりが遅くて完全にHにはなりません。
するとCH2の浮遊容量によるHレベル電圧がR10を介してT8出力につながるためCH2からT8に向かって電流が流れる形でゆっくり低下していきます。
その結果が上の波形です。
そしてその結果として1Q出力にH方向のパルス状の波が現れたと考えられます。
もしこの現象を解決できるとするならばそれはT8にプルアップ抵抗をつけるしかありません。
その値を幾らにすればよいか、それは実験によって確かめる必要があります。
ここ数日また時間がない毎日が続いています。
プルアップ抵抗の値の決定については次回に書くことにします。

トランジスタでCPUをつくろう![第442回]
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