2024.2.15
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第419回]



●バイナリカウンタ回路の改良(9)

やっとR14についての考察です。
その説明のためカウンタ部分の回路図を再掲します。



図下部の遅延回路はR=4.7KΩ、C=56pFに変更しました(前回参照)。
Q_〜GATE入力ラインの遅延はCLOCKの1周期を越えないという条件からGATE入力がONになったときにはQ_出力電圧とGATE入力電圧はほぼ同じになっていると考えられます(前回参照)。
GATEがONになる前にQ_〜GATE入力ラインの遅延が終っているということは、遅延回路の56pF(前回参照)がほぼ充電または放電されているということを意味しています。
つまりそのときのQ_の電位はそのままGATE入力の電位となります。
仮にQ_の出力が5VだったとするとGATEがONになった直後にはGATE入力電圧も5Vなので(C)点の電圧は0Vになります。
このときR14の両端は(A)点=5V、(C)点=0VになるのでQ_((A)点)から(C)点に向かって電流が流れることになります。
しかし10ns後にはQ出力が5Vになりさらに10ns後にはQ_が0Vになります(各インバータ回路の入力から出力までの時間を10nsと仮定しています)。
つまり(C)点が0Vになってから20ns後にはQ_も0VになってしまうのでR14の両端電位が同じになってR14には電流は流れないことになります。

ここで一旦R14から離れてこのときのGATE入力について考えてみます。
さきほどGATE入力は5Vでした。
すると上に書きましたように20ns後にはQ_出力は0Vになります。
するとその0VはただちにGATE入力に伝わるでしょうか?
答えはNOです。
そのとき充電回路の56pFはほぼ充電されているので(B)点の電圧は5Vです。
4.7KΩがあるのでQ_が0Vになるとゆるやかに放電が始まりますが(B)点が2.5V以下に下がってGATE出力が反転可能な状態になるのは約300ns後(前回参照)のことになります。
そのときにはGATEはOFFになっているはず(前提条件)なので結果としてRSフリップフリップはCLOCKの1周期の間、値を維持していることになります。

そこでもう一度R14に戻ります。
RSフリップフリップ回路の状態はR14によって次にGATEがONになるまで維持されます。
結局のところR14は20nsを経過した以後はQ_出力の電圧値をそのままQ出力回路の入力に伝えることになるため目安としてR7、R8よりも十分小さい値ならばよいことになります。
ということからすればR14は10KΩのままでもよいことになります。
しかし10KΩから4.7KΩへの変更は上記の20nsの期間に流れる電流値が倍にはなりますがそれはわずか20nsの間だけでそれ以外の期間はQ_回路からQ回路へ伝わる電圧をより確実に維持することになりますから、そのように考えるとここは4.7KΩのほうがよいでしょう。
とにかくRSフリップフロップはGATEがONの時間が20ns以上あればその状態を維持できると考えられ、それにはR14の抵抗値はおそらくそれほど影響はしないだろうと思います。

トランジスタでCPUをつくろう![第419回]
2024.2.15upload

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