2015.4.14
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第38回]


●製作中のMYCPU80の写真を送っていただきました

MYCPU80組立キットをご購入いただいたお客様から、製作中の写真を送っていただきました。

JMP命令の回路まで実装してテスト中の写真です、とのことです。
MYCPU80組立キットを気に入っていただけたようで、供給させていただいた者としてもとてもうれしい気持ちになります。
きれいな写真をお送りいただいた「美都」(ハンドルネーム)様。
MYCPU80製作中の写真をお送りいただき有難うございました。
もしまたきれいな写真を撮られましたら、ぜひともまたお送りくださいませ。
今後ともよろしくお願いいたします。

●オープンドレインNAND回路(5)

前回の終わりのところで、H出力の期間を短くするには、2SA1015のベースに入れたプルアップ抵抗を小さくするべきでありましょう、と書きました。
何でも思いついたことは実際に試してみるべきであります。

2SA1015のベースに入れたプルアップ抵抗を200Ωにしてみました。

出力には負荷抵抗RL=1KΩをつけました。
かなりH出力の幅がせまくなりました。
入力は前回と同じで2入力とも同じ信号を入力しました。
このくらいならよいのではありませんか。

下はそのときの2SA1015のベース端子の波形です。


下は出力になにもつけない状態(負荷抵抗なし)のときの出力波形です。

立ち上がりも立ち下がりもシャープです。
出力ラインがハイインピーダンスなため、出力ラインの容量のせいでしょうか、出力がOFFになってもそのときの電圧がそのまま維持されています(なぜだかよくわかりませんが+5Vよりもちょっと高い電圧になっているようです)。

出力を1KΩで+5Vにプルアップしました。

どうもやっぱり2SA1015がOFFになるときに出力が+6Vくらいになるようです。
その後にプルアップ抵抗のせいで+5Vに落ち着きます。

ということでこのところ何回かにわたって書いてきました問題につきましては、めでたく一件落着。
といきたいところなのですが、もうひとつ問題が残っておりました。

下は[第35回]でお見せした画像です。

オープンドレインNAND回路の2つの入力に入れたパルスです。
上側(CH1)が1MHzで下側(CH2)が2MHzです。

下の画像のCH2(下側)は、上のパルスを入力したときの出力の波形です。

この画像も[第35回]でお見せしました。
出力には負荷抵抗RL=1KΩがつけてあります。
問題は片方の入力がHからLに変わって、同時にもう片方の入力がLからHに変わったときの出力の波形でした。
当初はこの波形も全くの謎だったのですが、今はわかったように思います。
2つの波形が同時に変化したとき、と書きましたが正確に言いますと2つの入力は同時ではなくてほんのわずかずれています。
最初に2MHzのパルスがHからLに変わって、それから数ns遅れて1MHzのパルスがLからHになります。
実はこのパルスは74HC4040で分周したパルスを使っています。

そのようにわずかに入力パルスがずれているとすると、出力パルスの波形については下のように考えることができます。
まず最初に2MHzのパルスがHからLに変化します。
するとその入力ラインのコンデンサに充電電流が流れて、2SA1015の出力がONになります。
出力が一瞬Hになって、そこで出力がOFFになりそれから前回説明しました少数キャリアによるH出力の期間が続くはずなのですが、2MHzにわずかに遅れて1MHzのパルスがLからHに変わります。
するとその入力ラインのコンデンサが放電するため、2SA1015のベース電位は+5Vよりも高い電圧になります。
そのため2SA1015に蓄積された少数キャリアは短時間で抜けてしまいます。
ベース端子部分でのそのような変化の結果が反映して上の画像の出力になったと考えられます。

ということで、今度こそ本当に、これにて一件落着。
のはずだったのでありますが。

困っちゃったのですよねぇ。
下は上のほうで最初にお見せした画像です。

今説明しましたのと同じところにやっぱり小さなH出力があります。
でも、このときの入力は2つの入力端子に同時に上側(CH1)のパルスを入力しているのです。

こちらも上のほうでお見せしたそのときのベース端子部分の信号波形です。

入力パルスが立ち上がるタイミングでコンデンサが放電するため、+5Vを越えた波が見えますが、このときには充電されるコンデンサはありませんから、下向きのパルスは発生していません。
それなのになぜ出力にわずかですがちいさいながらもHパルスが出るのでしょうか。
これはちょいと理由がつかなくて、なんとなく気持ちが悪いのでありますが。
もっともこの条件のときには、このタイミングはオープンドレインNANDのハイインピーダンス出力の終わりのところですから、回路上の問題にはならないと思います。
ですので、理由はわかりませんけれど、これについてはこれでよいということにいたしましょう。

あ、しかし。
さきほどの片方がLになって、もう片方がHになるというタイミングではちょっと問題かも知れません。
その条件のときにはオープンドレインNAND出力はハイインピーダンスになっている最中ですから、そのときにハイインピーダンスではない出力がわずかですが出力されるということは、場合によっては何かに影響するかもしれません。
ま、しかしせっかくスピードアップできたオープンドレイン出力ですから、このような出力があることに注意しながらシステムを設計していくことにいたしましょう。

トランジスタでCPUをつくろう![第38回]
2015.4.14upload

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