2011.3.27
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標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)

[第762回]

●システムの復元

前回は「システムのバックアップについて」というテーマで、そのイントロ部分について、お話をいたしました。
システムのバックアップといいますと、今どきはかなり多くの方が「システムの復元」をイメージされるようなのですねえ。
ときどき登場いたします、昨年暮れにWindows7パソコン組立キットに挑戦してくれた、高校時代の同窓生S君([第690回])もその一人でありまして。

もう、ちょいと前のお話になりますけれど、そのS君から電話がありました。

「えっ?Windows7の調子がおかしい?…また、なにか、いれちゃいけないものをいれたんじゃないの?([第722回])」
「え?システムの復元?あっ。それ。使わないほうがいい…」
「えっ?もう、やってしまった?…それで?」
「…。なんだか、もっとひどくなってしまった?」
「だから…。どうして、先に電話してくれなかったの?(つい、詰問調)」

S君のいわく、
「今までWindowsXPで、なにかプログラムをインストールして調子がおかしくなったときなどは、システムの復元をやって元通りにしたことが何回もあったから…」

結局、S君はこの後、Windows7の再インストールをするはめになってしまったのであります。
インターネット上でサーチいたしますと、S君に限ったことではないらしく、どうもこのシステムの復元というものを割りとお気軽にお使いのお方が多いようでありまして。

システムの復元というのは、Microsoftさまのサイトで調べてみますと、ユーザーのデータファイルとかフォルダとかを変更することなくシステムファイルとかレジストリのみを、以前のある時点の状態に戻す、という機能なのだそうですねえ。
私は、そんなものは恐くてとても使う気になりませぬ。

だって。
アプリケーションによっては、レジストリと設定ファイル(こちらはただのデータファイル)の両方を参照するものもそれこそゴマンとありますでしょうし、毎回その両方を更新するものもあるでしょうに。
その片方だけをいきなり過去の状態に戻されたら、そりゃあ気が狂って何をしてくれるかわかったもんじゃありません。
あな。おそろしや。おそろしや。

まあ。私なんぞがそんなことを申し上げたところで、素直に聞いてはいただけないと思います。
こういうときは、オーソリチーでございます。
やっぱり、権威あるお方に言っていただくのが一番です。

こちらのサイト(http://search.vaio.sony.co.jp/solution/S0907071064417/)から引用させていただきましたので、じっくりお読みくださいませ。

[引用ここから]
システム復元機能を利用することで、ハードディスク内の情報の整合性が失われてしまい、逆にシステムが不安定になったりデータが失われてしまう場合もあります。
システム復元を試みる前に、重要なデータについては必ずバックアップをお取りください。
システム復元機能を用いてデータが消失するなどのトラブルが発生したとしても、ソニーでは保証できません。
あらかじめご了承ください。
[引用ここまで]

さすがは天下のソニー様。
正直でございます。

しかし。
そもそも、WindowsXPなどに搭載されていて、Windows7にも搭載されております、この「システムの復元機能」なるものは、ハードディスク全体をバックアップすることなく、いうなればもっと軽やかに、異常が発生してしまったシステムを元の健全だったころの状態に復旧させる、はずのものでありましょう。

それが事前に「重要なデータについては必ずバックアップを取れ」と言われたって、どれが重要でどれが失われてもよいファイルか、そんなこと判断できませんでしょお。
結局、異常が発生してしまってから、その異常が発生した状態のハードディスクをまるごとコピーしなきゃならないことになってしまうじゃありませんか。
そのときになって、それができればのお話ですけれど(できなきゃ自爆覚悟でやるしかない…あな、おそろしや)。

そんなことをするくらいなら、まともな時に、ハードディスク全体のバックアップを取っておいたほうが賢いのではありませんか?ねえ。
2011.3.27upload

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