標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第298回]

●プリンタ出力の代わりにファイルへ出力

☆☆☆今回のテーマはCPUともCMOSとも関係がありません。完全な余談、道草です。☆☆☆

組立説明書の作成作業中なのですけれど、部品配置のわかるシルク図上で、実装済みの部品番号を着色して示したいと考えました。どこまで組立作業が進んでいるかが一目でわかって便利です。
試作基板に部品を取付けていく過程では、蛍光ペンで塗りつぶしていきました。

でも今回は、試作ではなくて製品になるわけですから、もう少し製品らしくきれいに仕上げたいと考えたわけです。
ところでそのもとになるシルク図なのですが、基板を発注したときの最終図面を[第269回]でお見せしました。

このときの図面は、A3用紙2枚に原寸でプリンタ出力したものを、あらためてA3スキャナで読み取ったものです。
なんでそんな面倒なことをするのかといいますと、MYCPU80のプリント基板作成に使ったフリーのCADソフトPCBE(PCBEについては[第271回]を参照してください)は、CADデータはもちろんファイルに保存できますし、ガーバーデータなどもファイルに出力できるのですが、シルク図やアートワーク図はプリンタに出力するだけで、プリントイメージをファイルに出力する機能まではついていないので、たとえばシルク図のプリンタ出力イメージをファイルとして欲しい場合には、一旦紙に印刷したものを、もう一度スキャナで取り込むしかないのです。普通は。

ところがオリジナルはただの線画ですから、本来は白黒2値のビットマップ形式の図面であるものが、スキャナを通すと線画ではなくなってしまいます。
スキャナの設定で、白黒で取り込むこともできるのですが、なかなかコピーのようにシャープな画像にはなりません。
原図に近い線のイメージを再現しようとすると、白黒2値ではなくて中間の値も取れるようにしないとうまくないのです。

まあ、しかし白黒2値の線画にならなくても、結論としては[第269回]でお見せしたような中間調の画像でも、私が考えていた目的には支障なく使えることがわかりました。
でもそれがわかったのは、あとになってからのことで、当初はこれ([第269回]でお見せしたような画像)では加工ができない、と思い込んでしまいました。

そういえば、その昔はプリンタバッファなる製品があって、パソコンとプリンタの間にメモリバッファを置いて、プリンタに出力したデータを一旦メモリに貯め込む、という機能のものがありました。
いや現在のWindowsだって、多分プリンタドライバがユーティリティソフトとプリンタの中間にあって、プリンタ出力するデータをバッファリングしながらプリンタ出力をコントロールしているはずです。

ならば、そのバッファリングしたデータをプリンタに送るのではなくて、ファイルに出力するようなソフトがあってもよいのでは?
そういうものが使えるのならば、一度紙にプリントアウトしたものをまたスキャナで読み取るなどという非能率なことをしなくても、きれいな画像が得られるのではあるまいか?

で、ネットで検索してみましたら、なんと希望通りのツールがみつかりました(みつかったのはよかったのですけれど…)。

●Bitmap Virtual Printer



ベクターのページです。
Bitmap Virtual Printerというソフトで、その名の通り「仮想プリンタ」です。
通常のプリンタと同じイメージのプリンタドライバとして働きます。
ユーティリティで、このプリンタドライバを出力に指定することで、ファイルにビットマップイメージで出力することができます。
おお、なんと、希望通りではありませんか!

さっそくダウンロードして試してみました。
プリント基板CADソフト、PCBEでシルク図を出力してみましたら。
うまくいきました!
ちゃんと、ビットマップファイルが作成されました。
ただ、どうもA3出力はうまくないようです。
A4なら問題はありません。

PCBEの側で、出力するときに、オフセットの指定ができますから、出力したあと画像ソフトで貼り合わせることさえできれば、A4でも構いません。
ソフトとしては非常に小さくて、ダウンロードもあっという間に終わってしまいました。しかもWindows95、98用というのが、なおのこと、気に入りました。

Bitmap Virtual Printerはフリーソフトではありません。30日間の試用期間を過ぎたら有償になります。シェアウェアです。
価格は1050円。その価値は十分にあります。
さっそく、ベクターのシェアレジで払おうとしたのですけれど…。

どういうわけか、シェアレジボタンが無い…?
んじゃあ、ベクターのトップページから、シェアウェアの支払い手続きに進もうか、としたのですけれど、そういう入り口がどこにもない!
ベクターも最近は大きくなりすぎて、これはちょっと、サイトの作り方に問題があるのではないのぉ。
支払い手続きの入り口を探して、しばらくベクターの中をさまよっていたのですけれど、あきらめました。

ダウンロードした中のドキュメントに作者のメールアドレスがありましたので、作者にメールで問い合わせてみることにしました。
「1050円、お支払いしたいのですけれど。支払い方法を教えて」

そしたら、すぐに返事がまいりました。
いえ。作者様からではなくて、メールサーバー様からでした。
そういう方はいらっしゃらない、ンだそうです。

あれま。作者様は現在行方不明ですかぁ。
うーん。私としては、こういうシンプルなソフトは大好きなんですけれどねぇ。

ま、今回のシルク図については、試用させていただいた範囲で目的が達成できてしまいましたから、ありがたく利用させていただきました。

しかし、そういう事情では、長々使わせていただくわけにもいかないでしょうから、ついでのことに、さらにネットでさがしてみましたら、他にも、こういう機能のソフトがみつかりました。
こちらはフリーソフトなのですけれど、98ではダメで、XPでなければ使えません。

●Virtual Image Printer



こちらからダウンロードできます(上の画像のサイトです)。
こちらもダウンロードして、XPで試してみました。
Bitmap Virtual Printerのときと同じように、PCBEでシルク図を出力して試してみました。
こちらもうまくいきました。
やっぱりA3はうまくないようです。
サイズが大きいとまずいなにかがあるようです。
A4なら問題ありません。

Bitmap Virtual Printerは、出力イメージが「早い、簡単」という感じでしたが、こちらの出力イメージは「丁寧、きれい」という感じです。
Virtual Image Printerを使って出力したシルク図(部分)です(サイズが1.5MBと大きいので、インターネットの低速接続環境では、開くのに時間がかかります。ご注意ください)。
前回お見せしたシルク図はBitmap Virtual Printerを使って出力したものです。
出力品質の違いがわかります。

使用目的によっても違うとは思いますが、今回のシルク図については、私としては、Bitmap Virtual Printerの方がスッキリしていて、「お気に入り」です(作者が行方不明なのが残念です)。

☆☆☆冒頭に書きましたように、今回のお話は、CPUとは全く関係のない、余談です。でもまだ終わりません。道草は、もう少し続きます。☆☆☆
2009.8.4upload

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