ワンボードマイコンをつくろう!(パソコンの原点はここから始まった)
TK80ソフトコンパチブル!8080、Z80マシン語からBASICまでこれ1台でこなせます
当記事は2009年11月から「TTLでCPUをつくろう!」というタイトルの もとにほとんど毎日連載をしてきたものを再編集したものです。 2011.6.29
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☆特注品Z80ボードND80ZHの機能説明
TK80コンパチブルで、その上中日電工オリジナルのND80Zとしても動作するというZ80CPUのワンボードマイコンを企画し、その開発準備をしていたところに、ND80Zの特注品の開発依頼をいただきました。製品名はND80ZHです。
新企画のZ80ボード(ND80ZV)はこのあとで製作することになりますが、基本的な機能はND80ZHと共通していますから、まずはND80ZHの機能を説明します。

[第31回]

●今度はなんと7セグLEDに不良が…

Z80版TK80ボード(ND80ZH)の納品前の検査をしていましたら、なんと7セグメントLEDに不良品がみつかってしまいました。
そんなことって、ありか?
当然メーカーが全数検査しているものと信じ切っていましたが…。

7セグメントLEDの1個だけが、セグメントの1つが明らかに他のものよりも暗いのです。
もちろん最初は回路のショートを疑いました。
でも考えてみると、それはちょいとおかしい…。

全く点灯しないセグメントがあるというのならば、そのラインが断線しているということで納得ができます。
でも、点灯しているけれどもちょいと暗い、ということになると…。はて…?

ND80ZHの7セグメントLED表示はダイナミック点灯です。
もしセグメントの1つが暗いということならば、それは抵抗のつけ間違いかラインがショートしているかのいずれかの可能性が高いと思われますが、しかしダイナミックドライブですから、当然のことながら全部のLEDの同じ位置のセグメントが暗くなるはずです。

あるいはその桁のLEDの全てのセグメントが暗い、ということならそれも納得がいきます。
しかし、8個のうちの1個だけ、しかもその1個のうちの1つのセグメントだけが暗い、というのはどう考えても納得できません。

まさかとは思いましたが、こいつはどうも7セグメントLEDの不良としか考えられません。
意を決して、そのLEDを取り外して調べてみることにしました。

スルーホール基板の半田付けは取り外すのがなかなかに厄介です。
基板を傷つけないように、そしてテストするために7セグメントLEDもおしゃかにしてしまわないように、慎重に作業をして、やっとのことで取り外しました。

取り外したものの、さて、どうやってテストをしましょうか?
暗かったのは「C」セグメントです。
Cセグメントは右下のタテ棒です。

おお。簡単なテストの方法を思いつきました。

取り外した7セグメントLEDをテスト中の写真です。

取り外した7セグメントLEDの端子のうち、コモン端子と、CセグメントとDセグメントだけ、もとの回路につなぎました。
ただしCセグメントの端子はDセグメントの回路につなぎ、Dセグメントの端子は逆にCセグメントの回路につなぎました。
Dセグメントは下のヨコ棒です。
もしも回路に問題があるのでしたら、Dセグメントが暗くなるはずです。
でも、結果は基板に取りつけてあったときと同じで、やっぱりCセグメントが暗くなりました。

肉眼でみるとCセグメントが暗いことははっきりわかるのですが、写真ではちょっとわかりにくいかもしれません。遮光フィルムを乗せたほうがわかりやすいので、そのようにして撮影しました。
DセグメントよりもCセグメントのほうが暗いことがわかりますでしょうか。

上の写真はASA400相当で撮影しましたが、ASA100にして撮影してみました。

これなら、違いがわかりますでしょう。

むむ。なんと。
7セグメントLEDの不良品です。

30年この仕事でメシを食ってきて、はじめての経験です。
うう。信じられん…。

原因がはっきりしましたから、別の7セグメントLEDと交換しました。

ちゃんとまともに表示されるようになりました。やれやれ。

遮光フィルムを貼りました。


●7セグメントLEDチェッカーを作りました

今まで信じ切っていたのですけれど、こういうことがあるとちょいと心配です。
この7セグメントLEDはMYCPU80組立キットでも使っています。
今回のND80ZHは完成品でしたから納品前の検査で不良品をみつけることができたのですけれど、組立キットですとお客様が組み立ててしまってから、そこではじめて不良品が見つかるということになってしまいます。

いや、それは大変だ。それは、ちと困ります。
いやいや、完成品だって困ることは同じです。
さきほども書きましたように、ことにスルーホール基板は、半田付けをしてしまったら、取り外すのがなかなかに厄介です。
ということで、簡単なチェッカーを作ることにしました。

チェッカーと言ったって、要は全点灯させれば良いのですから、セグメント全部を抵抗でVccにつなぎ、コモンをGNDにつなげばよいのですけれど、この7セグメントLEDはTK80回路のダイナミック点灯で使いますから、どうせならば実際の回路につっこんでテストができれば言うこと無し、です。

そういうことならば。
ND80ZHの試作品を利用するのが手っ取り早いでしょう。

で。こんなふうにしてしまいました。

試作品のND80ZHの7セグメントLEDを1桁だけ取り外して、そこにICソケットをバラしたものを取り付けました。
ソケットにきっちり差し込まなくても、テストする7セグメントLEDをつまんでそこにちょいと当てて点灯の状態を確認すればよいのですから、写真のような普通のICソケットを利用するのが都合がよいのです。
試作品は7セグメントLEDに遮光フィルムを貼ってあったのですが、隣のLEDと明るさを比較できるように、隣のLEDの遮光フィルムは取ってあります。

ND80ZHはリセットの時は全セグメントが点灯します。
7セグメントLEDの点灯状態をテストするには、リセットを利用するのが最も簡単です。
ND80ZHのリセット信号は外部拡張バスコネクタに配線してありますから、それをGNDにショートしておけば常時リセット状態になります。

ということで、簡易即席7セグメントLEDチェッカーの出来あがりです。

さっそく、さきほど取り外した不良品LEDのチェックをしてみました。
ご覧の通りです。


遮光フィルムを乗せて、照明を明るくしてみました。
Cセグメントだけが暗いことが一目瞭然です。

CPUをつくろう!第463回(2010.3.28upload)を再編集

ワンボードマイコンをつくろう![第31回]
2011.6.29upload

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