2015.10.20
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新製品の紹介(プチ連載です)
周波数カウンタ組立キット

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たまにはちょいと息抜きで小品も作ってみたいものです。
簡単にチョイチョイと…。
でも、なかなかそうは簡単にはいかなくて、いつものごとく回を重ねてしまうことになるのかも…。
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[第30回]


GPS1PPSの精度?(3)

前回の続きです。
前回は時間がなくなってしまいましたので、説明の途中で終ってしまいました。
前回はその前の回([第28回])でGPSの1PPSを10進カウンタに入力して、10秒、100秒のパルスを作って、それで秋月から購入した超高精度温度補償型水晶発振器VCTCXO(12.8MHz±1ppm)VM39S5Gの出力をカウントしてみたところ、10秒間カウントした値については納得できるものだったのですが、100秒については、はてな?と首をかしげる結果が出てしまいましたので、その疑問をクリアするためにもう一度100秒のカウントを継続して行ないました。
その結果は意外なものでした。
1秒より10秒、10秒より100秒のほうが測定精度は上がるはずなのですが。
100秒の測定では1秒、10秒のときよりも合計値に対する誤差が大きくなってしまいました。
[第28回]の100秒間の測定結果は間違いではなかったのです。

この結果をどう考えるべきなのか。
それを考える材料として、前回の測定結果を表にして計算してみました。

20:13:13 29 41
   16:33 1F 31
   19:53 29 41
   23:13 21 33
   26:33 28 40
   29:54 1D 29
   33:14 20 32
   36:33 21 33
   39:53 28 40
   43:13 1D 29
   46:33 27 39
   49:53 23 35
   53:13 20 32
   56:33 20 32
   59:53 1F 31
21:03:13 29 41
   06:33 20 32
   09:53 1C 28
   13:13 28 43
   16:33 1D 29
   19:53 25 37
   23:13 1F 31
   26:33 27 39
   29:53 20 32
   33:13 1B 27
   36:33 24 36
   39:53 1E 30
   43:13 23 35
   46:33 1F 31
   49:53 24 36
   53:13 1F 31
   56:33 25 37
   59:53 1E 30
合計 1123
平均 34.03030303
4C4B4100
1280000256 34.03
1280000290

16進数の末尾2桁を10進数に換算してそれを合計して平均値を求めてみました。
その平均値を、最初の値4C4B4126の末尾を00にした値4C4B4100の10進数1280000256に加算して1280000290を得ました。
これは100秒間の加算値の平均値ですから、それを100で割ると12800002.9になります。
これは10秒間の測定値に一致します。
下は上の表をグラフにしたものです。



これはVM39S5Gの出力にこの程度の変動があるということなのでしょうか?
かなり大きな差のようですけれど、考えて見れば1秒間に12800000回のパルスを100秒間カウントして、たかだか10〜15カウントの差なのですから、これはもう誤差0といっていい世界なのかもしれません。

今回のカウント回路は74HC00と74HC590でカウントしています。
10秒、100秒は74HC390を通していますから数十nsの遅延があります。
12.8MHzの1周期は78.126nsです。
ひょっとすると、HC回路でこの程度の蓄積誤差が発生するということなのかもしれません。

これはなかなかに難しい問題です。

途中ですが本日も時間がなくなってしまいました。
今回は1PPSにゆらぎはないのか、ということについても書くつもりだったのですが、そこまで行けませんでした。
次回に書くことにいたします。

周波数カウンタ組立キット[第30回]
2015.10.20upload

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