2012.11.13
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第245回]


●セントロニクスインターフェイス

前回は、Windows全盛の今日では全くの旧式となってしまったセントロニクスインターフェイスのドットインパクトプリンタが今でも現役として売られている、ということを書きました。
しかし。
そもそも今のプリンタと昔のプリンタとはいったいどこがどのように違うのか?
そこのところが理解できなければ、いったい何が問題で何を言っておるのかさっぱりわからぬ、ということになってしまいます。
そこで、話の順序としまして、どうしてもセントロニクスなるものについて書かねばなりません。

昔のプリンタは大抵はセントロニクスインターフェイスでした。
ハードとしては、少し前までのパソコンに標準でついていた25pinDSUBのプリンタコネクタがそれでした。
ここで「ハードとしては」と書きましたのは、その同じ25pinコネクタに接続はするのですが、MS−DOSでは制御できない、いわゆる「Windows専用プリンタ」が主流となって、ことにWindowsXP以後、ユーザープログラムが直接パラレルポート(プリンタポート)にアクセスすることができなくなってからは、ソフトとしてのセントロニクスインターフェイスは、もはや意味の無いものになってしまったからです。

昔のプリンタはタイプライタと似た機能のものでした。
7ビットまたは8ビットの文字コードを送ることでそのコードに対応した文字(キャラクタ)を印字します。
機能の高いプリンタでは2バイトの文字コードを送ることで漢字を印字することのできるものもありました。
うんと昔のことは知りませんが、たいていは8×8ドットかあるいはもっと少ないドットで文字を表しました。
そうそう、LEDディスプレイの文字表示と同じ形式です。
その1ドットに1本のピンが対応した印字ヘッドがインクリボンをたたくことで紙に1文字を印字します。
当然グラフィックスの機能はありませんし、文字のサイズも決まっていました。
なんとも原始的なプリンタですが、しかし文字を印字するという、プリンタ本来の目的からすれば、それで十分という用途も多いのではありませんか。

確かに写真も年賀状印刷もできませんし、大小さまざまな書体できれいなドキュメントを作成することもできませんが、たとえば計算結果をまとめた集計表を印刷したり、ちょいとした測定結果を印刷する、という用途にはグラフィックもカラー印刷も不要です。
文字を印字するのに文字コードがあればいい(逆に言えばそれしかできない)、ということはプリンタ制御のインターフェイスがシンプルなものになる、ということを意味します。
実際この時代のプリンタは8ビットまたは7ビットの文字コードをプリンタに送るだけで文字を印字することができましたから、プリンタ出力のためのプログラムも簡単なもので済みました。
もう少し具体的に言いますと、最もシンプルな制御方式のプリンタでは、データ信号として8本、制御信号が2本とグランドだけで制御できました。
プリンタからはプリンタの状態を示すREADY/BUSY信号が出力されます。
印字中などでデータを受け取る準備ができていないときはH(BUSY)が出力され、データ入力可のときはL(READY)が出力されます。
プリンタに文字コードを出力するには、プリンタがREADYのときに、8本のデータ線に文字コードを出力したあと、STROBE信号を短い時間だけLにします(通常はH出力を維持)。
たったそれだけで文字を印刷することができます。
もちろんドライバなどという面倒なものは不要です。
直接プリンタポートに出力してしまえばよいのですから。
それがセントロニクスインターフェイスです。

昨今のインクジェットプリンタに代表される、いわゆるWindows専用プリンタは、そのような方法ではうんともすんとも反応してくれません。
まあいまどきはUSB接続のみのものも多いですから、パラレルポート(プリンタポート)に接続すること自体ができませんが、たとえパラレルポートに接続が可能なプリンタであったとしても非セントロニクスプリンタは上記のような簡単な方法では制御できません。

いまどきのプリンタとセントロニクスプリンタとの相違はまさにそこにあります。

説明の途中ですが、また時間がなくなってしまいました。
この続きはまた次回にいたします。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第245回]
2012.11.13upload

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